公園磔照らし

回送電車の女 第三部




 七十一

 良子が覚悟を決めて光の方に向き直ると、良子の方を照らしている灯りが動いた。男がその懐中電灯を手に取ったらしかった。ずっと良子の方に光を当てながら近づいて来るのが分かる。良子は自分の身体は照らされて丸見えだが、男の方は逆光になって姿が見えない。
 男がすぐ近くまで来て、まともに良子の顔に光を当てる。
 「ま、眩しいわ。」
 突然、良子は鳩尾の辺りに正拳突きを浴びせられる。
 「ううっ・・・。」
 浴びた一撃に、思わず顔を歪めて倒れ込みそうになるがかろうじて堪えて立ち続ける。男は良子が身動きが取れないのを確認したようだった。
 「手錠を掛けられているの。何も出来ないわ。」
 男のサーチライトが再び良子の苦し気な顔を照らし出す。
 「手錠の鍵は何処だ。」
 「くっ・・・。しょ、ショルダーバッグの中よ。」
 暗がりの中で男がショルダーバッグを拾い上げ中から手錠の鍵を取り出すのを良子は黙ってみている。
 「スペアの鍵もあるだろう。」
 「も、持ってきてないわ。」
 「ふん。」
 男が鼻で笑うのが聞こえた。
 「身体検査、させて貰うぜ。」
 「ま、待って。言うわ。お尻のポケットよ。」
 男の手がタイトスカートの制服の後ろのポケットを探る。頼みのスペアキーまで奪われてしまって、良子にはもう反撃のチャンスは無くなってしまった。
 「変な小細工はしないことだな。」
 男は手に入れた二つの鍵をポケットにしまうと手にしたサーチライト式の懐中電灯を消す。途端に辺りは真っ暗闇になる。男が何やらごそごそ暗闇の中でやっていると思ったら突然髪を乱暴に掴まれて頭を下げさせられる。
 「咥えろっ。」
 頬に当てられた生温かいものが何なのか、男に言われるまでもなかった。良子は手錠で樹に繋がれたまま、腰を折って男のモノを咥えさせられた。
 「ようし。もう十分硬くなっただろう。」
 睦夫は良子の口からビンビンに硬くなったペニスを引き抜くと良子の片方の膝に手を入れて上へ持ち上げる。

未央

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