回送電車の女 第一部
十二
ショーツが生温かくなったように感じた次の瞬間にはポタポタと滴が床に落ちていく音がし始める。同時に未央の内股にも滴が伝って流れるのを感じる。
(ひ、酷いわ。こんな事っ・・・。)
出し切ったと思った後でも、ずっしりと重くなった濡れたショーツからポタリ、ポタリと小水の滴が床に向かって止めどなく落ちていくのだった。
「あーあ、こんなに床に水溜まりを作っちゃって。どうするつもりだい?」
「そ、そんな・・・。」
男に詰られて、未央は涙目になって答えることも出来ないでいた。
「床を濡らしたままって訳にはゆかないからな。拭き取らなくっちゃ。でも、モップも雑巾もないからな。そうだ。お前のスカートを使わせて貰うか。」
「え、何ですって・・・。」
未央は耳を疑う。ショーツは小水でびっしょりだが、スカートは捲られていたために殆ど濡れていなかった。そのスカートを剥ぎ取ろうと男は後ろからホックに手を伸ばしてきたのだ。
「や、やめてっ。そんな事・・・。」
しかし両手を万歳の形で両側の吊り革に繋がれた状態では未央には抗う術はないのだった。ホックが外されるとストンとスカートは床の水溜まりに向かって落ちて行く。男は更に未央の後ろから足を伸ばして床のスカートを踏みつけ小水をスカートに沁みこませていくのだった。未央にはもう反駁する元気もなくなって、黙って男がするのを見ているしかなかった。
「さてと。今日はこれぐらいにしておいてやるか。ションベン臭い女を犯してもそそられないからな。」
(ああ、やっと解放されるのだ・・・。)
もうどうなってもいいと投げやりな気持ちになっていた未央に手錠を外して貰えるというほんの少しの希望が見え始めたところで未央は後ろから伸ばしてきた男が持ったハンカチで口を塞がれる。途端につうんという刺激臭が鼻を突いたと思った次の瞬間には意識がどんどん遠のいていくのをぼんやりと感じ取っていたのだった。
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