自脱ぎ

妄想小説


田舎教師



 七十四

 教頭の表情は俄かに興味を覚えてきていた。
 「痴漢を克服した時みたいに、水着で何かされても平気なんだって思えるようになりたいんです。」
 「な、なるほどな。君の言うことはよく分った。で、水着は持ってきているのかね。」
 「あ、はいっ。当時の競泳選手だった時のものを持ってきています。ここで着替えてみてもいいですか?」
 「君がそういうのなら、協力しようじゃないか。」
 「では教頭。今、着替えますので少しだけ向こうをむいていて頂けませんでしょうか。」
 「あ、そりゃ勿論だよ。水着に着替える君を見ている訳にはゆかんからね。着替え終わったら言ってくれたまえ。」
 そう言うと教頭は教頭机の向う側で肘掛付きの回転椅子をくるりと回すと、早苗には背を向ける。

水着着替え

 「まだ、こっち見ないでくださいね。今、何も着けてない裸なので・・・。」
 着替えながら、早苗はわざと教頭を刺激するように言いながら持ってきた大き目の紙袋をセットする場所を捜す。生徒が獲得したトロフィーなどを飾っている棚に目を付けると、そこに紙袋を据え直す。

 「今、着替え終わりました。」
 「そうかね。」
 教頭はそう言うと、相好を崩しながら縄を手に水着姿になった早苗の方に近づいて来る。

小俣早苗

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