妄想小説
田舎教師
十三
「まあ、そんなとこだな。必死で隠しているんじゃなくて、それとない自然な所作で見えないぎりぎりの座り方をするんだ。もう一度、立って座り直してみたまえ。」
「あ、はいっ。」
「ううむ。もう一度。」
「はい。」
教頭の眼の前で何度か立ったり座ったりを繰り返させられる。
「だいぶ良くなってきたが、まだ時々ちらっと見えているな。」
「え、見えたんですか。パンティが・・・ですか?」
「他に何が見えるというのだね。」
「ああ、恥ずかしいです。」
「だから、そうならないように訓練をしてあげているのではないか。」
「ああ、そうでした。わかりました。見えたら見えたとはっきり仰ってください。うまく座れるようにちゃんと練習します。」
「そうだな。姿見の前で練習するといい。じゃ、こんどはソファじゃなくて床の上にしゃがんでみなさい。」
「え、しゃがむのですか? このミニスカートで・・・?」
「そうだ。そういう格好をしなければならない時もあるだろう?」
「そうですが・・・。わかりました。こう・・・でしょうか。」
「やれやれ。それじゃ、真正面からみたら丸見えだよ。そういう時は片膝を先に落として膝と膝を交差させるようにして脚をすぼめるのだよ。」
「え? そうなのですか。こう・・・でしょうか?」
「まだ、見えているよ。もう少し膝をぴったりくっつけてすぼませるのだ。」
「あ、はいっ。やってみます。」
教頭室の中での早苗に対する訓練はその後も延々と続いたのだった。
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