妄想小説
田舎教師
七十二
落合が早苗の目の前に翳したものを見て、早苗は愕然とする。それは大学ノートに綴られた日誌のようなものをデジカメで撮った写真をコピーしたものらしかった。
<xx月xx日 新任教師赴任。初日からミニスカートの奥にパンチラを披露し全生徒に見られる。・・・・。xx月xx日。早苗はミニスカートの穿き方を指導すると言ったら素直に信じた。・・・・。xx月xx日。今日も早苗に指導すると言って何度もパンティを覗かせて貰う。・・・・。xx月xx日。稲葉教務主任が早苗は痴漢に初心なのだと教えてくれる。以前に指導した教え子に痴漢として早苗を襲わせる。>
読むに堪えないような内容が次々と綴られているのだった。
「う、嘘です。こんな事・・・。まさか、あの教頭が・・・。」
「教頭の事は頭っから信じて疑わなかったようだね。だが、これは間違いなく教頭の字だ。そしてこのノートは教頭室で見つけたものなんだよ。」
「ああ、私・・・。どうしよう。」
「騙され続けるにしても程があるよ。君、教頭のペニスまで咥えたんだろ?」
「ああ、言わないで。信じてたんです。私を治してくれているんだって。」
「若い女の先生を治すのに、ペニスを咥えさせる筈ないじゃないか。」
「ああ、そうだったのね。私がバカだった・・・。」
「そんなに卑下するなよ。田舎者だと思ってそこに付け込まれただけだよ。俺も田舎出身だからよく分かるんだ。自分が田舎者だと思い込んでいると、外から言われたことをすぐ真に受けちまうんだ。気をつけないと。」
「ねえ、私。どうしたらいい? 落合先生、私を助けてっ。」
「ああ、だが簡単にはいかない。何せ相手は学校一の権力者だからな。下手すりゃ君も、君にこんな事教えた俺だって首が飛びかねない。」
「く、首になるのは困るわ。私、母親と妹たちを養わないといけないの。」
「まあ落ち着いて。ちょっと策を練るから。今は、この調教日誌のコピーしかないから証拠としては充分じゃない。こんなの創作だって言われちゃったらそれっきりだからね。」
「私が証言しても駄目?」
「ああ、駄目だろうな。相手の方が一枚も二枚も上手だからな。しかし何か方法はある筈だ。」
落合は少し考えさせてくれと言って早苗を一旦帰すことにしたのだった。
「権藤教頭に調教行為を止めさせるには、証拠写真かビデオを撮るのが一番いいんだが、あの教頭は用心深いから教頭室にカメラをセットしに入るのが至難の技なんだ。何かいい考えはないかなあ。」
再び相談に社会科準備室に落合を訪ねてやってきた早苗に茂吉はアイデアを求める。
「あの、これまで教頭室で何度か着替えをさせられていて、裸になったところも何度か見られたりしてるんですけど、全裸になるっていったら一旦背を向けていて呉れるんじゃないでしょうか。」
「え? 全裸になる? どうやって・・・。」
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