檀上のパンチラ2

妄想小説


田舎教師



 四

 始業のチャイムが鳴ると共に、生徒達が列をなして講堂に入ってくる。それに続いて教職員達が生徒達の脇の一列に席を取る。檀上にも校長、教頭に続いて教務主任を務めている早苗の指導役を言い付けられている稲葉史江教諭がやってきて隣に座る。
 「あら、貴女。そのイアリングは何? ちょっと新任教師には相応しくないわね。キャバクラじゃないのよ、ここは。今のうちに外しておきなさい。」
 「あ、はいっ。気づきませんでした。」
 教務主任に言われて慌てて檀上で着けてきたイアリングを外す。その時生徒達の席で特に男子生徒等の間でざわつきが起きたのを、慌てていた早苗は気づいていない。膝の上に揃えていた両手を耳元に動かした為に短いスカートの裾がおろそかになったのだった。

 「それでは、新任の小俣先生に挨拶をして頂きます。先生、中央の方へ。」
 「あ、はいっ。」
 司会の権藤教頭に指名されて早苗は新任の挨拶をする為に檀上の中央へ進む。

挨拶舞台

 先程まで校長が挨拶を述べていた教壇机の後ろに立つのはさすがに僭越だと思ったので、教壇机の前に立った早苗だった。
 「新任でこちらの富士見台高校でお世話になることになりました小俣早苗と言います。初めての教員で慣れないことばかりで充分お役に立てるかどうか不安ですが、精一杯勤めて参りたいと思いますので、どうか宜しくお願い申し上げます。」
 挨拶をひと言述べて深くお辞儀をした早苗に生徒等の中から指笛がなってざわめきが起こる。ミニスカートから伸びる太腿を間近に見上げて、最前列の男子生徒は生唾を呑んでいる。
 そのまま席の方へ戻った早苗に生徒等の中から大声で怒鳴る声が聞こえる。
 「よく聞こえなかったぜ。もっかいちゃんと聞こえるように話せやあ。」
 教壇机の前に立ったせいでマイクが無く、早苗自身の声も細々としたものだったせいで後ろの方までは声が通らなかったのだ。生徒のざわつきを見て、教頭は手にしたマイクを持って席に戻った早苗に手渡し、顎でもう一度挨拶をし直すように促す。

小俣早苗

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