妄想小説
田舎教師
二十二
「えーっと、それじゃこれから20頁にある数句をノートに書き写して貰います。」
そう言うと、早苗は教壇の脇に置いてあるパイプ椅子に悠然と腰を降ろす。生徒等の目が自分のスカートの裾を追っているのを意識しながらさっと椅子に腰を降ろすと一瞬だけ膝元を隠した手を振り払う。
生徒達の視線が一斉に膝に置いた手を離した部分に集中するのを痛いほど感じながらも早苗は生徒たちが最早騒ぎ出さなくなってきていると感じていた。
「どうだったかね、生徒達の反応は?」
「教頭先生、ありがとうございました。なんだか生徒達が私を見直してくれたような気がします。少なくとも騒ぎまわっていた生徒がしいんと静まり返ったんです。」
「まだ油断は出来んぞ。うっかりまた覗かせてしまったらパンチラ先生の汚名復活になってしまうのだからな。」
「分っています。ですからもう暫くは私の事をしっかり指導してください。」
「そうか。それなら今日も訓練をするからこれに着替えてみなさい。」
その日は教室でも披露したミニ丈のリクルートスーツだったのだが、教頭はどこで調達してきたのか、薄手のキャミソールのようなワンピースを手渡す。それも丈はかなり短そうだった。ワンピースなので、リクルートスーツのスカートと上着を取ると、ブラウスも脱いで渡されたワンピースに着替えようとする。
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