沁みストッキング脱ぎ

妄想小説


田舎教師



 十五

 「力を抜いていないからだ。ストッキングに沁みてしまったようだね。邪魔だから脱いでしまいなさい。」
 「あ、はいっ。」
 普通だったら有り得ない筈の、男性と二人っきりの部屋の中でスカートに手を突っ込んでストッキングを外すことが、教頭の言われた通りに出来なかったことで頭がいっぱいになっていて冷静に考えることも出来なくなっていた。
 冴子は脱いだストッキングを教頭の目に着かないようにそっとソファの後ろに丸めて隠す。
 「さ、もう一度やってみたまえ。」
 教頭の手には何時の間にかもうひとつの生卵が握られている。早苗はそれを受け取ると、生脚になった膝の間にそっと挟み込むのだった。
 今度は卵を割らないように細心の注意でゆっくり座り込む。今度は何とか生卵を割らないで済んだ。
 「そうだ。変に力を篭めなければ割らずに座ることは出来るのだ。しかし、卵にばかり神経が集中していてパンツの方は丸見えだったがね。」
 「あ、いやっ・・・。」
 慌てて、両膝の上に両手を当てて無防備になっていた裾を蔽って隠す。
 「ふふふ。最初のうちはパンツが見えてしまってもかまわんよ。膝に力を篭めないで座る感覚をまず憶えるのだ。そうだ。この間と同じように目隠しをするといい。そのほうが膝の感覚がより判り易くなる。ほら、これを着けてみたまえ。」
 教頭は前日と同じビロードのような生地の帯を早苗に手渡す。一旦膝から卵を手に戻すと、渡された帯を受け取って、早苗はおそるおそるその帯を眼に当てて後頭部でずり落ちないようにしっかりと縛る。

小俣早苗

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