目隠し立ち

妄想小説


田舎教師



 三十四

 最早、教頭に対して何一つ疑う気持ちも無くなっていた。とにかく言い付け通りにしなければならないのだと早苗は自分に言い聞かせるのだった。
 気配で教頭が自分のすぐ後ろに廻ったのを感じる。
 「いいかね。何があっても動いてはいけないよ。じっと立ったままでいるんだ。」
 「わ、わかりました。」
 教頭の手がお尻の方に当てられたような気がした。触ったというまでの感じではなかった。
 「どうかね。何か感じるかね。」
 「い、いえ・・・。あ、感じます。何となくわかります。」
 「そうか。じっとしているのだぞ。」
 今度はもう少しはっきりとお尻に手が当てられているのが感じられた。それでも触っているのではなく、触れているという感覚だった。その触れているものがゆっくりと上下に動き始める。
 早苗は思わず生唾を呑みこむ。自分の身体を何かいやらしいものが這っているかのような感覚が起き始める。触れているかどうかという感じがもどかしくも感じられるのだった。
 いつのまにか自分の尻に当てられているのが親指と、一緒に添えられた人差し指と中指の二点に変っていることに気づく。その二つが最初は親指を支点に動いていたものがだんだん両方が尻の肉を挟みこむように逆向きに上下に動き始める。そして人差し指と中指の先が尻の肉にだんだん食い込んでくるようにも感じられてくるのだった。
 「あ・・・。」
 遂に早苗は呻くように声を出してしまう。
 「動いてはならんぞ。両手を拳に握ってじっと耐えるのだ。」
 教頭の声に、早苗は拳を握りしめる。
 尻の肉を挟み込むようにしていた親指と二本を合せた指の動きが、今度はスカートの布地を手繰るようにし始める。
 (まくり上げられている・・・?)
 教頭の手のひらの中で、早苗のスカートは次第にたくし上げられていくのが感じられた。
 (このままスカートが持ち上がって行けば・・・。)
 その瞬間を考えるだけで、早苗は自分の息が荒くなっていくような気がする。
 「あ・・・。」
 教頭の指がスカートの布地を通してではなく、直接尻たぶの肌に触れた瞬間に早苗は堪らず再び声を挙げてしまう。
 「声を挙げてはならん。深く、ゆっくりと息をするのだ。」
 既に教頭の五本の指が早苗の尻たぶの肌に直接触れて愛撫を始めていた。早苗は溜息が洩れそうになるのを必死で堪えている。もう一度、早苗はごくりと生唾を呑みこむ。その瞬間に教頭の指はすっと尻を離れた。
 「今日はここまでにしておこう。どうだ、感じたのか?」
 「わ、わかり・・・ません。声を挙げないでじっとしているので精一杯でした。」
 「一日目だからな。感じてあそこを濡らしているのだろう。しかし教師としてはこの位で気持ちよくなって感じているようでは失格だぞ。」
 「そんな気持ちよくなっているだなんて・・・。」
 「あとで下着の裏側を触ってみなさい。しかし暫く訓練を積めば、そのうちにこのくらいでは動じなく出来るようになる筈だ。今は感じてしまっても仕方ない。若い頃に免疫を得てこなかったのだからな。訓練の為に暫くは通って来なさい。」
 「わ、わかりました。よろしくお願いします、教頭先生。」
 そして早苗は漸く目隠しを取ることを許されたのだった。

小俣早苗

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