妄想小説
田舎教師
二十六
生徒達も早苗が教室に入って来た時、前回のようなミニスカートではなかったことにちょっとがっかりした様子だった。早苗は生徒達の表情を無視するようにした。いや、自分のスカートの中のことが生徒達に知れてしまうのではないかとそればかりを考えていただけなのだった。
(もしかして、生徒の誰かはスカートの中のことを知っていて、想像しているのでは)どうしてもそう思ってしまうのだった。
「先生? ぼおっとしてないで、早く授業を始めてくださいっ。」
以前に早苗の背中に貼られた悪戯の紙を剥してくれた優等生らしい女子生徒だった。
「あっ、ごめんなさい。ついうっかりぼおっとしてしまいました。それじゃ授業を始めます。」
そしてその日の授業は事なきを得て終わったのだった。
第一部 完
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