準備室対峙

妄想小説


田舎教師



 七十一

 その日の放課後は教頭室へ出向く代わりに早苗は落合茂吉の居る社会科準備室を訪ねた。
 「やあ、小俣先生。こんなむさくるしい所まで訪ねて来てくれるなんて光栄だね。」
 「落合先生。今日はどうしても確かめたいことがあってお訪ねしたのです。」
 「へえ。何だい、僕に尋ねたいって?」
 「落合先生は何を知っているのかということです。つまり・・・、その、私に対する調教・・・についてです。」
 「ふふふ。やっと君も認めたね、調教って。」
 「落合先生。貴方は私のことをいろいろ知っているって仰ってましたよね。どんな事を知っているというのです?」
 「例えば、君がミニスカートからパンツを見られないようにする訓練を受けたとかね。」
 「えっ。どうして、それを・・・。」
 「まだ、あるよ。痴漢に遭っても平気でいられるようにって、お尻を触られる練習もしたよね。」
 早苗は思いもかけない落合からの言葉に絶句する。
 「それから君は教頭室に行く度に縛られているよね。それって、縛られることが快感に感じられるように訓練しているんじゃないの?」
 「そ、そんな・・・。ち、違います。あ、あれは・・・。」
 「君がマゾ体質なのを直す為? 僕は君がマゾの快楽にどんどんのめり込むように調教してるとしか思えないけどね。」
 次々と落合の口から出てくる言葉に早苗は打ちのめされていた。
 「どうして、そんな事をご存知なんですか・・・?」
 最後にやっとその言葉を口にした早苗は落合から意外な事実を知らされる。
 「僕はあの教頭が書いた『調教日誌』っていうのを読んだからね。」
 「な、何ですか。その調教日誌というのは?」
 「ふふふ。これだよ。」

小俣早苗

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