黒板前ミニスーツ立ち

妄想小説


田舎教師



 二十一

 教室の扉を開けた瞬間、(おーっ)という歓声と共に全生徒の視線が自分の下半身、短いスカートの裾から露わになっている太腿に向けられるのを否が応でも感じない訳にはゆかなかった。
 「皆さん、席に着いてください。」
 早苗は生徒達の熱い視線を感じながらもそれを完全に無視して授業を始めることにしたのだった。
 生徒達は完全に早苗の一挙手一投足を固唾を呑んで見守っていた。生徒等の感心は、何時またこの女教師が迂闊な行為でパンチラを晒してしまうのかに集中しているのは疑いようもなかった。それが判っているだけに、早苗は平然と、そして毅然として授業を進めねばと思うのだった。前回はあんなに騒がしかったクラスが嘘のように静まり返っていた。それだけミニスカでやって来た教師の痴態を一瞬でも見逃すまいと意識を集中しているのを痛いように感じていた早苗だった。
 「えーっと、それじゃ教科書の20頁を開いてください。今日も万葉集の解説から始めます。」
 黒板に向き直って、最初の一首を記そうとしている早苗の背後でカランという音がする。振り向くと一番前の席の男子生徒が、ペンを取り落としたらしかった。それが早苗を試す為のわざとであるのも早苗には今度はちゃんと理解していた。早苗は悠然とそれを拾い上げる。

黒板前ミニスーツペン拾い

 (タイトスカートの場合は、膝を曲げずに腰を屈めてもパンツが見えてしまうことはない) そんな教頭の言葉が早苗の頭に鳴り響いていた。
 「はい、これっ。貴方が落したんでしょ?」
 拾い上げたペンを落とし主の男子生徒の机に置くと、早苗はにっこりと微笑みかける。
 「あ、ありがと・・・ございます。」
 男子生徒は早苗の優雅な仕草に明らかに圧倒されていた。

小俣早苗

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