妄想小説
田舎教師
二十九
早苗の下着がすっかり腿の途中まで下ろされて隠されていた部分が男の子たちの前に露わになる。早苗は初めて危険を感じた。
「や、やめてえっ。」
いきなり脚をすぼめて、一気に力を篭めてトオルの方を蹴り飛ばす。その勢いの強さに健太も吃驚して手を放してしまう。早苗は機敏に立ちあがると、腿まで引き下ろされてしまった下着を引き揚げながら納屋の扉に向かって一目散に走り出したのだった。
「おい、待てよ。待てったら・・・。」
しかし、早苗は後ろを振り返ることなく、走り続けたのだった。
「どうしたの? ぼんやりして・・・。何か考えごと?」
突然聞こえてきた稲葉教諭の声に、早苗ははっと我に返る。
「あ、いえ。何でもないんです。ちょっと子供の頃の事を思い返していて。」
「子供の頃? 変な人ね。突然・・・。」
早苗は照れ臭さを隠すように席を立って給湯室のほうへ逃げていくのだった。
それが早苗の記憶にある最も古い性的な体験だった。しかし当時は何が起こっていたのか自分でも理解出来ないでいた。その日の夜、母親が隣の家のオバサンから何か聞かされたらしく、暫くは健太と遊んではいけないときつく言い渡されたのだった。しかしその理由はしらされなかったのだった。だから、もっとずっと後になるまでその日起きたことが何だったかをずっと知らずにいたのだった。
給湯室で独りになると、早苗は自分の生涯で次に起こったショッキングな出来事、二つ目の性的な体験に思いを馳せるのだった。
仕事で昼間母親が居ない中で、二人の幼い妹の面倒をずっと見て来たのも関係してか、早苗は早熟な育ち方をしていた。その時はまだ小学校の高学年にあがったばかりだったが、身体は既に大人になりかけていたのだ。
ある日、学校に登校していて早苗は身体の異変に気づく。自分には姉が居らず、母親も殆ど自分の面倒は見てくれていなかった。だから誰からも何も教えられることなく、その日を迎えることになってしまったのだった。
異変に気づいたのは、自分だけではなかった。一緒に登校していた男子児童の何人かが、小学児童が普通に身に着けていた短めのスカートの裾から赤い筋が垂れているのを見つけてしまったのだった。自分ではどうしたらいいのか途方に呉れている早苗を数人の悪ガキたちが取り囲んでしまったのだ。
「な、何よ。貴方達・・・。そこ、どいてよ。」
「ちょっと待てよ、早苗。お前、今普通じゃないよな。」
「え? な、何言ってんの。」
「へへへ。俺、知ってんだぜ。姉貴が居るからな。月一回やってくる、あれだろ?」
「え、月一回? な、何の事・・・。」
「お前、何も知らないのかよ。おい、こいつを皆で抑えつけろ。どうなってるか調べてやろうじゃねえかよ。」
「や、やめてっ。放して。手を離して。」
「おい、抑えつけろ。逃げれないように縄で縛っちまえ。」
咄嗟に逃げようとした早苗だったが、男たちは五、六人いて、既に腕をしっかり掴まれていた。助けを求めようと辺りを見回したが女子児童の姿は一人も見えないのだった。
「は、放してっ・・・。」
必死で叫び声を挙げるが、男達は周りを取り囲んでいるだけでなく、何人かが早苗を羽交い絞めにする。早苗が身動き出来なくなると両方から早苗のスカートを捲り上げてしまったのだった。
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