夜の訪問

妄想小説


男女六人 卒業旅行



 五十七

 コン、コン。
 「琢也、起きてる?」
 深夜12時を廻った頃、シングルで採った部屋のドアが軽くノックされた。しかし、開かれた扉の向うに茉莉が見たのは優弥の姿だった。
 「え、どうして・・・?」
 「琢也と部屋、替わって貰ったんだよ。あ、待てよ。琢也に何か用があったんだろ。」
 「え、ええ・・・。でも・・・。」
 「ちょっと入れよ。」
 廊下に声が響くのを気にしているように優弥が言うので、おとなしく茉莉は従う。ドアがガチャリと締まる音がすると、優弥はいきなり茉莉の両手を抑えて壁に押し付ける。茉莉の目の前に優弥の顔があった。
 「キス、していいか?」
 茉莉は返事をする代わりに上を向いて目を瞑る。

優弥と茉莉のキス

 それは昼間おあずけを喰わされた茉莉にはあまりに甘く、せつない接吻だった。
 優弥の両手が茉莉の手を逃さないとばかりに恋人繋ぎに握り返される。押し付けてくる身体で既に優弥が勃起しているのを茉莉は感じ取っていた。
 優弥は両手をしっかり握ったままで、茉莉を壁から剥がすかのように引き寄せると、そのまま部屋の奥へ押してゆきベッドの上に押し倒す。茉莉のほうは抗うでもなく、まるでその行為を待っていたかのように乱暴にも見える優弥の行為をそのまま受け入れていた。優弥の唇が茉莉の唇から離れて首筋のほうへ降りてくる。鎖骨の上を吸うように滑っていくと、茉莉は堪らなくなって喘ぎ声を挙げる。
 恋人繋ぎだった手を漸く離すと、優弥の手がそのまま太腿の側面から茉莉のミニスカートの裾を手繰る。腰骨の辺りに這い上がってくるその手が茉莉のショーツに掛けられると、茉莉も自然と腰を浮かす。
 その間に茉莉の両手は優弥のズボンのベルトに掛けられていた。優弥の屹立したモノが膝の途中まで下ろされたズボンとトランクスから弾けるように飛び出てくると、同じくショーツを下ろされた茉莉の内股に触れる。優弥の指が狙いを定める場所を探っていくと、既にそこはしっとりと濡れ切っているのが判った。
 熱く滾るような肉棒が茉莉の狭い場所を貫く時に、一瞬茉莉は苦痛に顔を顰める。が、収まってしまうとその表情は恍惚としたものに変ってゆく。
 「はじめて・・・だったのか?」
 茉莉は口では答えずに、目を瞑って軽く頷く。優弥は繋がったまま、茉莉の首筋を後ろから抑えて再び唇をむさぼるのだった。

 「わたし、処女を喪っちゃった・・・。」
 知世と隣り合わせでベッドに横たわった玲子が突然、ぼそっと言った。
 「え、身体を許したの?」
 知世もまさかと思いながらも、想像はしていたことだった。
 「そうじゃないけど、両手を縛られていたから。」
 (え、縛られていた・・・?)
 思わず、知世は玲子が陥ってしまった姿を想像する。
 「どうして、そんな事に?」
 「わからない。暗闇の中から手が突然出てきて、後ろからは突き飛ばされて・・・。気づいたら手も、足も縄で括りつけられていた。」
 「助けは呼ばなかったの?}
 「最初、口を手で抑えられて・・・。その後、ガムテープを貼られて声も出せなかった。逃げようともがいたら、パーンって顔を張られて。多分その後、気を喪ったんだと思う。」
 衝撃的な告白だった。
 (玲子が強姦で処女を喪った・・・。)
 「どうやって逃げてきたの? 相手は見たの?」
 「わからない。気がついたら誰かが縄をナイフで切っていて、男たちが揉みあって争ってた。『逃げろ』って声がしたから、後も見ずに走って逃げたの。何度も転びながら・・・。必死で走ったわ。」
 「茉莉にも話したの?」
 「うん、だいたいは・・・。」
 知世はそれ以上は二の句も継げなかった。

玲子

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