同窓会四人

妄想小説


男女六人 卒業旅行



 二十

 「お前、あの写真を知世にも見せたのか?」
 「ああ、知らないと可哀想だと思ってさ。あいつがミニスカート穿いて来るなんて珍しいよな。それだけ同窓会には気合いが入っていたんだろ。それがあんなパンチラ撮られちゃってさ。」
 「そうそう。茉莉なんか、もっと全然短いスカートだったのに絶対そういう写真撮られることはないからな。琢也、お前もそう思うだろ?」
 「確かに・・・。茉莉は挑発的な短いスカート穿いている割にはパンチラを見せる事はないかな?」
 琢也は五稜郭へ向かって車をスタートさせる際にバックミラー越しにちらっと覗いたのが本当に見えていたのかちょっと自信がなかった。しかし、自分を挑発していたのには違いないとは思うのだった。その直前の教会の懺悔室での茉莉の大胆な行為の事は、さすがに優弥や哲平に白状する訳にはゆかないのだった。琢也はあの時のことを思い出して、股間のモノが硬くなり始めているのに気づいて慌てて湯の中でタオルを当てて誤魔化すのだった。

 同じ頃、女湯のほうでは女性三人の間で今日の出来事が話されているのだった。
 「ねえ、どうだった。今日、一日。あの男たち三人と一緒に旅行してみて?」
 茉莉は二人にというより、特に玲子に向って質問していた。
 「どうって・・・。突然、男子三人と一緒に旅行することになって、最初は緊張してたけど・・・。まあ、途中から慣れてきたのかしら。」
 「へえ、玲子は慣れてきたんだ。知世はどうなの?」
 「わ、わたしは・・・。」
 最初からそうなることは知っていただけに、迂闊なことは言えないと思う知世だった。

女三人露天風呂

 「まあ、結果的には良かったんじゃないかって・・・、思うけど。」
 「私は運転しなくて済んだので凄くよかったわ。明日からも運転は全部男子たちに頼んじゃおうかしら。」
 「彼等ならずっと運転してくれるんじゃない? でも、茉莉。後ろの席に乗る時はミニスカート、気をつけないとね。」
 「あら、知世。どうして?」
 「だって。パンツ見られちゃうかもしれないわよ、あんな座り方したら。」
 「あら、大丈夫よ。私、ミニスカートは穿きなれてるから男にパンツ見せちゃうような真似はしないわよ。」
 茉莉が(男にパンツ見せちゃうような真似)というのを聞いて知世はつい俯いてしまう。
 「あ。ごめん、知世。同窓会の時のこと、思い出させちゃったわね。」
 「え、茉莉。知ってたの・・・?」
 「何、同窓会の時のことって? 何かあったの・・・?」
 「あ、玲子は知らないんだ。あのね・・・。いい? 言っても、知世。」
 「別にもういいわよ。男子は皆んな知ってるらしいし。」
 「何なの・・・。何なの?」
 「あのね。この間の同窓会に知世も珍しくミニスカート穿いてきてたじゃない。あの時、知世ったらついうっかりとテーブル席に座ってる時に、男子の誰かにミニスカートからパンツが見えてる所を写真に撮られちゃったの。その写真があとで、男子の間で回覧されていたらしくて。」
 「え、知世。そうなの?」
 「哲平が後で教えてくれたの。お前、気をつけろよって。」
 「え、それじゃ茉莉もその写真見たの?」
 「ええ、見たわ。男子がパンチラの写真があるって騒いでいたから。ちょっと見せてって。私もあの日はミニスカートだったから、てっきり私の写真かと思ってね。」
 「茉莉は私のよりもっと短いスカートだったのに、やっぱり穿きなれているのね。」
 「ああ、それで今回の旅行もずっとジーパンなんだ。もしかして、あの時からずっとミニスカートは穿かないって決めた・・・とか?」
 「ええ、玲子。そうよ。あなたはいつもロングスカートって決めてるみたいだけど。」
 「そう言えばそうね。玲子はどうしてミニスカートは穿かないの?」
 「だって茉莉みたいに脚に自信ないもん。何か恥ずかしいわ。太腿とか見られるの。」
 「え、いいじゃないの。男子が脚を見てくるのって、それだけ好意を持ってるってことじゃないの。」
 「それって、愛情じゃなくて欲情っていうのじゃないかしら、茉莉。」
 「愛があるから欲情も湧くのよ。だから私はいつもミニ派。男子には皆、私に好意を持ってもらいたいもの。でも、パンツは見せないようにしてるけどね。」
 「私は欲情は愛があるからというのは違うと思うわ。ただスケベエなだけよ。男子なんて。」
 「あら、それじゃ知世はなんで同窓会の時、ミニスカートで来たの?」
 「そ、それは・・・。」
 「いいじゃないの。正直になりなさいよ、知世。女が男に見られたいっていうのは本能なのよ。玲子もそう思わない?」
 「わ、私・・・? いやあ、どうなんだろ・・・。」
 茉莉にそう言われて、ふっと玲子は琢也の顔を思い浮かべる。
 (琢也も私がミニスカート穿いてたら、パンツを覗いてみたいって思うのかしら・・・。)
 玲子が一人、顔を赤らめていたのに茉莉も知世も気づかなかったようだった。
 「あ、そう言えば、明日の朝は皆んなでサイクリングで湖の周りを廻るって言ってたけど。玲子、いつものずるずるの長い裾のスカートしか持って無いんじゃないわよね。」
 「え、そうだ。どうしよう。私、ロングのスカートしか持って来てないわ。」
 「まあ、これだからね。玲子らしいけど。いいわ。私、ホットパンツを一枚だけ持って来てるから貸したげるわ、明日。」
 「ホットパンツって、裾が凄く短いやつのことよね。」
 「そうよ。いいじゃないの。パンティを見られるわけじゃないんだから。太腿ぐらい見せてやりなさいよ。あいつら、度胆抜くわよ。玲子のホットパンツ姿みたら。」
 「えーっ。どうしようかなあ・・・。」
 「いいんじゃない、玲子。折角旅に出て気分変えるんだから、普段を違う自分を見せるのも大事かもよ。」
 知世も調子に乗ってけしかけるのだった。

知世

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