妄想小説
男女六人 卒業旅行
四十八
「琢也・・・。居るの?」
真っ暗な中に玲子は小声で呼びかける。しかし返事は無かった。
(変だなあ・・・。)
玲子が小屋の中を覗き込んでみようと入口の中に首を突っ込んだその時だった。ドンと背中を押されて小屋の中に倒れ込みそうになる。その玲子の身体を受け止める者が居た。後ろから手が伸びてきて腋の下に手を滑り込まされ羽交い絞めになる。声を挙げようとする前に強い手で口を塞がれる。
「ガムテープっ。」
後ろで声がすると、暗闇の中でビリッと何かを引き裂く音がした。ガムテープを引き千切ったのだと思った時に今度は鼻を抓まれる。息が苦しくなったところで口から手が離されていきなり布のようなものが突っ込まれる。
「あぐ、あぐぅっ・・・。」
その布きれのようなものを口の中に入れられた直後に玲子の口はガムテープをしっかり貼られてしまう。
「う、う、う・・・。」
「縄で縛ってしまえ。」
羽交い絞めにされて身動き出来ない玲子の両手に縄が二重に巻き付けられていく。
(いやっ。縛られてしまう・・・。)
男たちの動きは素早かった。両手首に巻かれた縄はきっちり結び目をつけられてから小屋の隅の柱のようなところに結わえ付けられたらしかった。更には足首にも縄が巻かれ上に引かれる。玲子は突き飛ばされた時に床に倒れ込んだまま、足首から縄で持ち上げられて尻もちを突くような格好で寝かされてしまう。身体をよじって何とか逃れようとするが手首に縄がますますきつく食い込んでくるだけなのだった。
目の前に長い裾のワンピースがふわっと広がっている。そのワンピースの裾に男の手が掛けられた。
(い、いやっ・・・。)
しかし玲子の思いも虚しく、ワンピースは大きく肌蹴られてしまう。足首で上の方に吊られている為に一旦捲られてしまったスカートは元には戻らない。
「白いパンティか。こいつ、処女みたいだな。」
男の声を聴いて玲子は震えあがる。
(処女・・・? ああ、わたしはこうして処女を奪われてしまうの? そんなのいやっ。)
しかし男たちは玲子のあられもない格好に余計にそそられてしまったようだった。
ビリッ。
胸元で衣を裂く音がする。
「うう、うう、うう・・・。」
玲子の必死の呻き声もくぐもって響くだけだった。
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