妄想小説
男女六人 卒業旅行
四十二
茉莉が体育会系の乗りでガンガン漕ぎ出たせいで、もうあと二台のボートも何処にも見えなくなってきていた。
「ああ、いい天気ね。」
茉莉がそういうとオールを投げ出して、後ろに寝そべる。脚を琢也の方に真っ直ぐ向けて寝そべっているので、短いスカートの裾からは無防備なその奥が覗きそうになっている。パンティが見えているのか確かめたいが、覗きこんでいるとは思われたくなくて、素知らぬ顔をして遠くの方を眺めている振りをしている琢也だった。
「ねえ、琢也も寝そべって空を見てみなさいよ。本当に綺麗な空よ。」
茉莉は更に脚を大きく開いてボートの底面に寝そべっている。琢也のことを挑発しているのは間違いなかった。辺りをもう一度見回すが、自分達のボートの傍には一艘も居なかった。その事が琢也が誘惑に負けてしまおうかという気持ちを後押しする。
「ま、茉莉っ・・・。」
琢也が茉莉の方へ近寄ろうと動いた瞬間に舟がぐらっと大きく揺れた。
「きゃっ。危ないわ。」
慌てて琢也は身を伏せるようにしたので、茉莉の身体に思いっ切り覆い被さるようになってしまった。その背中を茉莉の両手がしっかりと捉える。
「駄目よ。大きく揺らしたら。転覆しちゃうわよ。」
「ご、ごめん。あまり慣れてないから。ボートなんて・・・。」
「揺れちゃうからぴったり身体を付けてて。」
そう言われて、琢也は身を離そうにも狭い舟底では身体をくっつける以外、どうしようもないことを悟る。
茉莉が身体を密着させながら、手を自分の股間に伸ばしてくるのにすぐに気がついた。
「もう、こんなになってる。」
それが何を意味してるのか訊くまでもない。
「仕方ないさ。男なんだから。」
暫くズボンの上からゆっくり弄っていたが、そのうち我慢出来なくなったらしく、ズボンのチャックを探り当てようとする。それに気がついて琢也は自分からファスナーを降ろす。今度は茉莉の手が性急にペニスを探り当てようとする。
「あっ・・・。うっ。」
トランクスの奥に突っ込まれた手が膨れ始めて外に出たがっているそのモノをいとも易々と引き出してしまう。
「誰かに気づかれてしまうよ。」
「大丈夫よ。誰か近づいてきたら気配でわかるわ。」
「そうかなあ・・・。」
気が気ではないものの、握られたそれを最早放してほしくもなかった。
「凄いわ・・・。ああっ。」
どんどん大きさを増して硬くなっていく琢也のモノを握りしめながら茉莉も喘ぎ声を洩らす。その声に、琢也もおのれのモノは握らせたまま身体は大きく動かさないように上向きを保ったまま、茉莉の背中の下に腕を通す。茉莉も身体を浮かせてそれを助ける。肩を抱ける体制になったところで、茉莉の身体を引き寄せるようにしながら身体を茉莉の方へ向けて横向きになる。茉莉も自由なほうの手を琢也の背中に廻して更に身体を密着させる。
茉莉の方に向き直った琢也は、茉莉が目を瞑っているのを知って肩に当てた手を首に廻して引き寄せると唇を合わせる。唇と唇が絡まり合うと、茉莉は握った手の力を更に篭める。琢也もそれに反応して更に怒張を強くする。
「ああ、琢也っ・・・。わたしも触って欲しいの。」
言っている意味はすぐに分かった。琢也が肩を抱いた手を身体の側線に沿って下の方へずらしていく。茉莉の短いスカートはその下に穿いているショーツを探り当てる為には都合がよかった。お尻からショーツの端を探り当てると下に引き下げる。茉莉も腰を浮かせてそれを助ける。太腿の上まで剥ぎ下ろすと、茉莉が両脚を擦り当てるようにしながら器用にそれを抜き取る。叢の茂みの奥は既に滴り出そうなほど潤っていた。
琢也の指がその割れ目に滑り込んでいくと、茉莉は切ない喘ぎ声を洩らした。片足を曲げて膝を琢也の下半身に乗り上げるように太腿を持ち上げる。それはもっと奥まで攻めて欲しいからに違いなかった。重ねられた唇の間に舌が割り込んでくる。その感触が指が探り当てた陰唇のそれなのか、琢也にはもう区別がつかなくなる。
琢也が身を浮かして茉莉の身体の上に乗ろうとすると、舟がぐらっと大きく揺れる。
「駄目よ。ここでは無理だわ。慌てないで。今はこのままでいい。」
茉莉の言葉に琢也も無理はしないことにする。これ以上の激しい動きは本当に転覆を招きかねないと判断したからだ。
次へ 先頭へ