妄想小説
男女六人 卒業旅行
二十七
「ずうっと真っ直ぐで運転はしやすいけれど、単調過ぎて眠くならないか、茉莉?」
「運転してると大丈夫よ。琢也は?」
「ああ、さっきドライブインで駅弁食べたばかりだからな。ただ、じっと海を見てると眠くなってはきそうかもな。玲子、お前はどうだい?・・・。ん?」
返事がないので後ろを振り返ってみると、玲子は後部座席のドアに顔をもたせかけて舟を漕いでいる様子だった。
「あれっ、寝ちゃったのかな?」
「玲子、サイクリングで疲れちゃったんじゃない? 足まで攣ったって言ってたし。寝ちゃったのね。さっきからコックリ、コックリしてるのがバックミラーで見えてたし。」
「そうだったのか。疲れたんだなきっと。」
「ねえ、琢也。手を貸して。」
「手・・・? どうして。」
「何か、眠くなるといけないから。」
そう言って茉莉は前を向いたまま、ハンドルを握ってない左手を琢也の方に伸ばしてくる。琢也がその手に自分の手を近づけようとしたら、それを気配で感じたかのようにさっと掴むと恋人繋ぎの要領でしっかりと握ってしまう。
(あっ・・・。)
後ろで寝ている玲子に遠慮して声にはならなかった。
恋人繋ぎでしっかりと琢也の手を捉えた茉莉はそのまま琢也の手を引いて自分の腿の上に載せる。
茉莉のミニスカートは運転している間に少しずつ上にずり上がっていて太腿を大きく露わにしていた。その生脚の肌に繋いだ琢也の手を押し付けるようにするのだった。
(うっ・・・。)
茉莉の太腿の生温かさが、琢也を緊張させる。
琢也は繋いだ手を極力動かさないようにしながら、そっと後ろを盗み見る。玲子が目を覚ます様子はなさそうだった。
琢也に再び、あの懺悔室での出来事が蘇ってくる。それと同時に下半身の中心が窮屈になってくるのを感じるのだった。
(駄目だよ、茉莉っ。こんなところで・・・。玲子が目を覚ましたら。)
そう焦るのだが、女性の生の脚を触っているという甘い感触が次第に琢也の理性を麻痺させようとするのだった。
次へ 先頭へ