妄想小説
男女六人 卒業旅行
十
「あそこが教会の入り口かな?」
琢也が指差したのは聖堂らしき建物の正面にある大きな扉だった。
「ううん、あそこは駄目。多分施錠されてて入れないわ。カトリックの教会って結構厳しいの。観光客が物見遊山的に見学に来るのは許してないのよ。こっちの裏口の方。多分、あっちからなら入れる筈。」
茉莉は聖堂の横のほうにある目立たない小さな裏口のような方へ琢也を引っ張っていく。すると近くに居た修道女の格好をしたシスターが二人を見咎める。
「あの聖体訪問したいのですが、いいですか?」
すかさず茉莉がそう告げると、シスターはにっこり微笑んでどうぞとばかりに小さい方の扉に手を向ける。茉莉もしっかりお辞儀をするとその扉に向かう。茉莉が手を掛けると扉はすうっと手前に開いた。
「へえ、本当だ。なんだい、さっきのシスターに向かっていった言葉?」
「あれは自分が信者だというおまじないのようなもんよ。一般の人は知らない言葉だから、てっきり信者だろうって向こうが信じたのよ。わたし、小学校はミッションスクールだったからそういうのには慣れてるの。」
「へえ、凄いな。わ、中は結構薄暗いんだな。」
琢也は初めて入る堂内の様子を物珍しそうに眺めている。
誰も居ない聖堂内は、しいんと静まり返っている。
「へえ。教会の中って、こんな風になっているんだ。あ、あれはなんだろう?」
琢也は聖堂内の横手にある小部屋のようなものが並んでいる扉のほうを指差す。
「ああ、あれは告解所っていうのよ。ちょっと入ってみましょう。」
「えっ。いいのかい、そんな事して?」
「ふふっ。大丈夫よ。さあ。」
琢也は茉莉に引っ張られて、告解所と呼ばれる小部屋に入ってみる。茉莉が琢也を押し込むようにして後から入ってくる。茉莉が後ろ手に告解所の扉を閉めると、小部屋の中は二人が立っているので精一杯という狭さだった。
「告解所って、いわゆる懺悔室ってやつだよな。」
「あら、意外によく知ってるじゃない。懺悔室って何をするところかも知ってる?」
「そりゃ、罪を犯したことを告白するんじゃなかったかな?」
「そうよ。じゃ、琢也もここでちゃんと告白するのよ。私の事、想像しながらオナニーしたことがあるでしょ?」
「え、オナニー・・・? 」
突然、茉莉の口から出た言葉に琢也は狼狽える。実際に琢也はバスケ部員のユニフォーム姿の茉莉を想像しながら何度も自慰に耽ったことがあったからだ。
「う。そ、それは・・・。」
そう言いながらも当時のことを思い返して股間のものが硬く膨らんでくるのを感じ取っていた。
「さ、正直に言いなさいっ。」
そう言いながら茉莉は琢也に身体を摺り寄せてくる。茉莉の太腿が硬くなってきている琢也の股間に触れるのを感じる。
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