知世湯上り

妄想小説


男女六人 卒業旅行



 三十八

 風呂を出る時、バスローブの下に下着をつけるべきか最後まで迷っていた知世だったが、もし明け方まで何も無くて、朝になって下着をつけていないのを知られてしまったら、待っていたのだと思われかねないとショーツだけは穿いてベッドに滑り込んだのだった。
 「あ、ごめん。琢也、起しちゃった?」
 「ん? あ、いや・・・。」
 「変な組合せね。私たち・・・。」
 「そうかな。でも、どんな組み合わせだって、変は変だよ。」
 「そっか・・・。そう、だよね。おやすみ。」
 「ああ、おやすみ。」

 琢也はいきなりおのれのモノを握られたことに気づく。
 「な、何すんだよ。知世・・・。」
 「琢也、正直に言いなさい。どっちを選ぶつもりなの。茉莉? それとも玲子?」
 「い、いや。そんな事、答えられないよ。」
 「正直に白状しないと、これ放さないわよ。」
 「うっ、そんなに強く握らないでっ。痛いよ。」
 「ここをこんなに勃起させるの、何度目?」
 「え、どうして・・・?」
 「ちゃんと知ってるのよ。この旅行に来てからもう何度も勃起させてるわよね。」
 「気づいていたのか・・・。」
 「何にも知らないと思って。許さないわ。」
 「あ、駄目っ。放してくれよ。ねえ、知世っ。」

 「え、何か言った?」
 知世の声に琢也ははっと我に返る。
 「あ、えっ? 俺、何か今言ってた?」
 「よく判らないけど、何かふにゃふにゃって・・・。」
 「ごめん。夢だと思う。気にしないで・・・。」
 「そう。おやすみ。」
 「ああ、おやすみ。」

知世

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る