美人女医と看護師に仕組まれた罠
九
「で、その後どうなんだ、新しい女医と看護師は?」
その日は明日香医師の休日で、以前までは巡回でやってきていた鬼塚医師が週一の担当の日なのだった。
「いや、鬼塚先生には申し訳ないけどやっぱ女医さんの方がいいですねえ。それにあの若い子も優しいし・・・。」
「ふふふ。どうせいろいろちょっかい出しているんだろ、権蔵のことだから。」
「あ、いやあ。まいったな。でも、お尻触ったりぐらいですよ。ほんとはもうちょっと本格的なエッチなことをしてみたいんですけどね。ほら、あの昔居た看護婦の・・・。」
「水島君のことか? あの話はちゃんと秘密にしてるんだろうな。」
「も、勿論ですよ。先生に迷惑かかっちゃうような事は決してしてませんから。」
「私に迷惑だなんて。忘れんで貰いたいが、実行犯は君なのだからね。」
「そ、そうでした。でもあの若い日菜子ちゃんで、同じようなことがもう一度出来たら・・・。」
「あれが忘れられないって訳か。うーん、そうだな・・・。」
鬼塚医師は遠くを見るような目付きで思案している風を装う。しかし本当はじっくり練ってきた女医の明日香を貶める遠大な計画をそろそろ実行に移してもいい頃合いかと思ってきたのではあった。
「なあ、権蔵。お前が秘密を確実に守るっていうんなら、もう一度いい思いをさせてやらんでもないんだが。」
「ええっ、本当ですかい? あんな事、もう一度出来るんならもうくたばってもいい位ですぜ。」
「まあ、それにはいろいろ準備があるからな。俺の指示どおりにやるんだぜ?」
「もちろんですよも。全部、先生に教えられたとおりにきっちりやりますから・・・。」
二人だけの診察室で、鬼塚医師と芦田権蔵はよからぬ企みの相談に入るのだった。
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