美人女医と看護師に仕組まれた罠
五十八
半勃起した川谷のそれが明日香の口の中に無理やり押し込まれると、明日香は目を閉じて素直に服従するしかないのだった。
「どうした。勃起度合いが不満か?」
手を使うことも赦されない明日香は吾作のペニスを咥えさせられたまま顔を微かに横に振る。
「嘘を吐くなよ。お前の沁みが付いたパンティがもっと硬いペニスが欲しいって正直に語っているぜ。死んだ権蔵はバイアグラでビンビンになったペニスでお前を絶頂にまで導いたんだろ?」
「うぷっ。」
突然の予期しなかった吾作の言葉に思わず明日香は吾作のペニスを口から吐き出す。
「あ、貴方・・・。何か知っているの?」
「さすがに図星を指されて狼狽えたみたいだな。やはりあの晩、バイアグラを呑んでビンビンになったペニスを挿された相手は明日香先生だったって訳だ。」
「い、いえっ。そ、それは・・・。」
「だって先生。あの晩、バイアグラを使ってまでビンビンに勃起させたペニスを挿せた相手って、当直だった明日香先生以外にあり得ないだろ?」
「うっ、そ、それは・・・。」
「先生。愉しむだけ愉しんでおいて、知らぬ顔はないぜ。自分は一切関係ありませんみたいにさ。先生は権蔵を死に追いやった共犯者なんだぜ。」
「ああ、だって。わ、私は・・・。縛られていて・・・。お、犯されたのよ。」
「でも黙ってたんだろ、その事は。先生は、権蔵がバイアグラを使って不相応にペニスを勃起させて自分をイカせた。だけど、そのことは無かったことにしようとした。」
「ああ、だって。だってっ・・・。」
「だから、権蔵にバイアグラを渡したのは日菜子だからって日菜子だけに罪を負わせる訳にはゆかないんだぞ。お前も共犯だ。しかもお前はあの夜をしっかりと愉しんだ筈だ。権蔵の死の直前にな。」
「ああ、言わないで。仕方がなかったのよ。お願いっ、この事は・・・。」
「心配するな。お前が俺たちの言うことを聞いている限り、秘密は守ってやるよ。そうだ。その上もう一度、お前にあの愉悦を味わわせてやろう。薬剤室に行ってバイアグラを俺の為に持って来るんだ。幸い、俺は足腰は弱っているが心臓だけは丈夫なんでな。バイアグラを使ったって心筋梗塞で死ぬ心配はないからな。」
「えっ、駄目よ。そんな事・・・。」
「大丈夫さ。薬剤の使用記録は権蔵に出した分のところで所長が手を回して記録を抹消してるんだ。少しぐらい在庫の量が減って立ってもう検証のしようはないんだからな。」
「そ、そんな・・・。」
しかしその後、明日香はこっそりと薬剤室に忍び込んでまだ残っていたシルデナフィルの在庫を盗み出して吾作に渡すしかなかったのだった。
吾作が明日香の居る診察室に入るとほぼ同時に入れ替わりで診察室から出てきた日菜子は近くにいた介護士ヘルパーから呼ばれる。
「日菜子ちゃん。貴女に磯部留男さんから電話が掛かってきてるわよ。」
「え、私にですか?」
不審な面持ちで診察室受付の電話を取った日菜子に留男の声が聞こえてきた。
「吾作は診察室に入っていったかい?」
「ああ、磯部さん。ええ、たった今しがた・・・。」
「だったら、君は暫く暇になるだろ。ボクの部屋へちょっと来てくれないか。」
「あ。でも、何時明日香先生に呼ばれるか分からないので近くにいないと・・・。」
「当分その心配はないよ。吾作は二人だけで話したい相談があるって言ってたからさ。逆にその間ずっとそこで待機していてもすること、ないだろ?」
「ええ、でも・・・。わ、わかりました、磯部さん。」
明日香は受付にたむろしている介護ヘルパーたちに明日香先生が自分のことを呼んだら磯部さんのところに行ってるから教えてくださいと頼んで磯部の病室に取り敢えず向かったのだった。
コンコン。
「磯部さん。磯部留男さーん、いらっしゃいますか?」
「ああ、日菜子ちゃんだね。入りなさい。それと、内側から鍵を掛けておいてね。」
磯部が部屋の鍵を掛けろというのを聞いて、日菜子は不安になる。
(ま、まさか・・・。もうあれっきりにしてくれって言っておいたのに・・・。)
日菜子が留男と吾作が居る部屋に呼び出されてさんざん狼藉を働かすのに身を任せた時からまだそんなに日にちは経っていない。
留男の病室の内側には珍しくベッド脇のカーテンが引かれたままになっていた。おそるおそるそのカーテンを潜って中に入る日菜子の目に飛び込んできたものを見て日菜子は凍り付く。
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