共犯者二人

美人女医と看護師に仕組まれた罠




 四十六

 丁度同じ頃、日菜子の方は所内のもう誰も居なくなったリハビリトレーニング室に留男に呼び出されてやってきていた。日菜子はそこに磯部留男だけでなく川谷吾作まで居るのに驚く。
 「どうして川谷さんまでここに居るんですか? この事は秘密だった筈ですよ、磯部さん。」
 「ふふふ。日菜子ちゃん。死んだ権蔵も含めて俺たち三人組は全てを通じ合ってる仲間なんだよ。俺が隠し持っていた明日香先生の恥ずかしい写真のスクショは、こいつも同じものを持っているんだ。」
 「ほら、これだろっ?」
 振られた吾作も自分のスマホを翳して、明日香のいかがわしい写真の画像を日菜子に見せる。
 「俺のだけ消したって日菜子ちゃんも困るだろ? だから吾作も連れてきてやったんだよ。あの手の写真を撮るのに、吾作はいい特技を持っててさ。こいつ、こうみえて実はSM倶楽部で修行しててさ。女を縛るのは大得意なんだよ。」
 「わ、わたしを縛って写真を撮るのね・・・。」
 「同じような写真って言ったろ。あんな風なのと交換だってさ。こいつが縛る係で、俺が撮影の方を担当するってわけさ。」
 「本当に明日香先生の写真は消してくれるのね。」
 「ああ。お前が同じような写真を代わりに撮らせてくれるっていうのならな。」
 「わ、わかったわ。」
 「じゃあ、最初はこれと同じポーズのから行こうか。」
 そう言って、留男が見せたのは以前オナニーをしているときに取り落とした縛られた看護婦が表紙に載っているエロ写真集だった。
 「ちょっと待って。最初はって・・・。撮られるのは一枚じゃないの?」
 「明日香先生のあの写真に匹敵するようなのを一回で撮るのは難しいからね。いろいろ試してみて、これならってのが撮れたら終わりにしてやるよ。」
 「そ、そんな・・・。」
 「どうする? 嫌ならこの取引は取りやめにしてもいいんだよ。」
 「うっ・・・。わ、わかったわ。その代わり、先にあの画像を消去して頂戴。そしたら何でも言うとおりのポーズを取ってあげるわ。」
 「ふうむ。ま、いいだろ。じゃ、よく見て。ほらっ、ここを押してと・・・。さ、消去画面になった。おい、吾作。お前もあの画像を出して消去画面にしろや。」
 差し出された二人のスマホの消去画面におそるおそる指を伸ばして『削除』というボタンを押した日菜子だった。
 「じゃあ、今度はこっちの番だ。吾作、俺がこの雑誌持ってるからそれと同じようなポーズに日菜子ちゃんを縛ってやれ。」
 吾作は予め用意しておいたらしい荒縄を取り出すと、日菜子の腕を取って背中に回させる。
 「あ、いやっ・・・。」

明日香

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