美人女医と看護師に仕組まれた罠
二十五
「それじゃ、あの美人先生にちんぽを握らせたっていうのか?」
権蔵の話を聞いた吾作は興奮気味に答える。本当は人差し指と親指で嫌々抓まれただけだったのだが、権蔵は話を大きくしていた。
「俺が勃起不全が心配なんだといってペニスを見せたら、まんまと引っ掛かって勃起度合いを調べるのに握ったんだ。俺は必要以上に勃起しないように抑えるのに精いっぱいだったのさ。」
「その手、俺も使ってみたいな。」
「駄目だよ、吾作。同じ手を使っちゃ幾らなんでもばれるさ。」
「そうだよ。同じ手は駄目だな。でも俺だったら日菜子ちゃんにその手使ってみたいな。」
「何だよ、留男。お前はもうあの若い看護婦のおっぱいをしっかり掴んだ癖に。」
「そう言ったって、俺だけがあの看護婦の手に射精出来なかったんだからな。もう一度あんな事してみてえなあ。」
「また今度鬼塚先生に相談してみるかな。」
三人は悪だくみの相談を延々とするのだった。
その日は明日香の最初の当直の日で、飛鳥井総合病院の鬼塚医師は明日香や日菜子には内緒でしあわせ特別養護センタを訪れていたのだった。鬼塚医師がセンタ所長の後藤睦男に自分専用の特別室を用意させてそこにその日もセンタ入所患者の古株、芦田権蔵を呼んでいた。
「鬼塚先生。今晩はあの明日香先生が当直の日ですよね。俺を呼んだってことは・・・。」
「さすがに権蔵は察しがいいな。」
既に鬼塚医師は入所患者である芦田権蔵を自分の子分であるかのように呼び捨てにしている。権蔵自身もその事で、鬼塚からいい目を見させて貰えると信じ切っているので喜んで付き従っているのだった。
「お前が、このホームの中で一番信頼がおけるからな。権蔵。」
「この間の日菜子って若い看護婦のようなことが経験出来るんなら、どんな事でも言いつけに従いますよ、鬼塚先生。」
「そうか。じゃ、手筈をこれから説明する。くれぐれも指示した通り以上のことをするんじゃないぞ。今回は次のステップの為の重要な準備段階だからな。これが上手くいけば次はもっといい思いが果たせるんだ。それをようく肝に銘じておくことだ。」
「分かっています。鬼塚先生の指示にはきっちりと従って、役目を果たしてみせますからって。」
権蔵もその夜に鬼塚から命じられるミッションへの期待に胸を膨らませて鬼塚の言葉を待つのだった。
次へ 先頭へ