妄想小説
思春期
四十四
「あ、薫っ・・・。」
女子テニス部の練習を終えて、一人部室に戻ってきた純一は、部室に薫が居るのに驚く。しかも見覚えのあるテニスウェアを身に着けているのだった。
「驚いた。これっ、麗花ちゃんに借りたのよ。ちょっと私には小さかったけどなんとか入ったわ。スコートの丈はちょっと短すぎるかしら。」
「あ、いや。それほどでも。でも何だってそんな格好で。」
「麗花ちゃんから言われたの。私がこのテニスウェアを着てあなたに見せて、貴方が麗花ちゃんにしたのと同じ事がわたしにも出来たら、麗花ちゃん、貴方のこと、もう赦すんだって。」
「え、麗花が? 麗花ちゃんが本当にそう言ったのか。それで、お前もそれでいいんだな。」
「いいも何も・・・。麗花にしたんだったら、わたしにも同じ事、して欲しいわ。」
「そうか。そうなのか。わかった。俺も麗花にしたのと同じ事が出来たのなら、気持ちの整理がつくような気がする。」
そう言って、純一は辺りを見回す。横長のベンチの上にこの間と同じ様に縄跳び用の縄が置いてある。それをさっと取り上げる純一だった。
「じゃ、後ろを向いてご覧。両手を背中に回してっ・・・。」
「え、こう・・・?」
純一は短いスコートから露わになっている薫の生脚を見て、思わず生唾を呑みこむ。それからやおら、薫の背中に回された手首を掴むと縄跳び用の縄を巻きつける。
「え、縛るの?」
「同じ事って、言ったじゃないか。」
(純一は、麗花のことを縄で縛ったんだ・・・。)
しかし、もう少し様子をみようと口には出さない。純一は薫を後ろ手に縄跳びの縄でしっかり縛り上げてしまうとベンチに薫を押し倒す。
「あっ・・・。」
純一の手が易々と薫のスコートを捲り上げると、その下のアンダースコートを一気に引き下げてしまう。
「ああ、薫っ。行くよっ。」
薫が純一にベンチの上で仰向けにひっくり返されたときには、純一のズボンは既に下ろされていて屹立したモノが天を突くように勃起していた。その純一の硬くなったものが、まだショーツを膝頭に着けたままの両脚を持ち上げたその付け根に挿入されたのだった。
「ああ、こんなこと・・・。こんなこと、貴方したの、麗花に。」
「ああ、同じ様に中出しするよ。それでいいんだね。」
「え、中出しっ?」
純一に激しく突かれる気持ちよさに、薫は言おうとした『駄目っ』という言葉がどうしても発することが出来なかった。
「ああ、いくぅ・・・。」
薫は身体の中に熱いものが充填されるのを感じた。
(まさか。純一があの麗花とこんな事をしてたなんて・・・。)
「ああ、いいよ。良かったよ、薫っ。」
「あなた、こんな事してたの。」
「だって、君がして欲しいって言ったんじゃないか。」
「いえ、私にではなくて、麗花によ。相手は中学生よ。そして貴方の生徒なのよ。」
「え、だって・・・。」
「もう、あなたとは一緒にはなれないわ。」
薫は後ろ手の縛られたままの手で何とかショーツを引き上げると、縛られたままの格好で部室の外へ走り出てしまうのだった。
「ああ、待ってよ。薫っ・・・。」
純一が薫を追掛けようと慌ててズボンを引き上げようとしていた時だった。すぐそばのロッカ―からガチャリという音がしたのだった。
「え、何? あ、お前等・・・。そんなところに。」
並んだロッカーが三つ開いて、中から麗花と、更には同じテニス部の同級生三人が顔を出したのだった。
「先生、麗花にそんな事、してたの?」
「ほら、だから本当だって言ったでしょ。やっと信じてくれた?」
「おい、待ってくれ。せ、先生は・・・。先生は、そんなんじゃないんだ。ち、違うんだ・・・。」
麗花は証人となる目撃者二人を先に帰すと、首をうなだれてしょんぼりとベンチに座り込んでいる純一の前に腕組みをして立っていた。
「さ、その証文にきちんと署名をするのよ。そしたら今の事は黙っててあげる。さっきの二人もその証文の証人になって貰う為に同席してて貰ったの。私が何も言わなければ告げ口したりすることは絶対ないから。」
純一は麗花から渡された証文の文句をもう一度読み返す。
『わたくし、磯部純一は教え子の上原麗花の両手を縛って自由を奪った上で犯しました。麗花が妊娠した場合は、わたくしが全ての責任を負うものとします。』
(ああ、これでもう俺はお終いだ・・・。)
絶望のうちに、純一は麗花に渡された書面にサインをしたのだった。
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