屋上土下座

妄想小説

思春期



 四十二

 薫には校長の何が何でも本人から赦して貰うんだという言葉が耳に残っていた。
 「わかったわ。先生が悪うございました。どうか、お赦しください。」
 苦汁を呑む決意で薫は亨に屈したのだった。その亨の前でコンクリートの床に突いた手の平に亨は足を載せる。
 「ううっ、痛いっ・・・。」
 「痛いだろ。張り手で思いっ切りぶてば、同じ様に痛いんだ。」
 「ああ、私が悪かったんです。赦してください。」
 亨は薫の手から足をどける。指が赤く腫れてしまっていた。
 「あの時、本当にパンティは穿いてなかったんだな。」
 「うっ、そ、そうです。」
 「じゃ、今も穿いていないって訳だ。」
 「・・・。」
 「今、見せて貰おうか。そのスカートの中を。スカートを捲ってここで見せるんだ。」
 「ああ、そんなこと・・・。」
 「許してほしくないのか?」
 「ああ、わかりました。」
 薫はもう今更、何を抗っても無駄だと思い知った。コンクリートの床から立ち上がると、ミニスカートの裾を持ち上げる。
 「あの、もういいですか?」
 「駄目だ。もう少しそのままで居るんだ。あん時、実はスカートの中は見えなかったんだ。だけど、先生がパンツを穿いてないのは知ってたんだぜ。」
 「え?」
 「事前に聞いてたからな。ミニスカートの下はノーパンの格好で学校へ来るってな。」
 「どうして、そんなことを・・・。」
 「それだけじゃないぜ。先生、素っ裸で授業したんだってな。それも証拠のビデオまで撮られて。」
 「え、それじゃあ・・・。」
 「俺の兄貴が、俺に代わって復讐してくれたってことよ。皆んなの前で恥、掻かせてくれたからな。きっちり詫びを入れて貰ったってわけさ。」
 麗花は屋上へ出る扉を少しだけ開いて外の様子を窺いながら、今聞いたことの耳を疑う。自分がライバル視している女教師が生徒の前でスカートを捲らされてノーパンの姿を見せているという姿も信じられなかった。
 (そういう事だったのね。)
 麗花は薫が磯部先生に振られるところを見届ける為に後をつけてきていたのだったが、とんでもない事を目撃してしまったのだった。

 「ねえ、村中クン。もうこれで先生の事、赦して貰える?」
 「ううん、そうだな。あと、もうひとつ。やって貰おうかな・・・。」
 「まだ、何かさせるの?」
 「先生。俺、まだ童貞なんだ。」
 「え? まさか・・・。」
 「先生に童貞を卒業させて貰いてえんだ。」
 「駄目よ、そんな事っ。まだ、中学生なのよ。童貞なのが当たり前なのよ。」
 「でもよお、俺は他の奴等より先に卒業しときてえんだよぉ。」
 「駄目っ。でも、じゃ口でならしてあげる。ね、それでいい?」
 「フェラチオってこと? 俺が出すまでだよ。そこまでするんならそれで赦してやるよ。」
 「わかったわ。約束よ。」
 薫は亨を屋上の床に仰向けで寝かせると、脚の間にしゃがみこんで亨のズボンを下ろす。更にトランクスを引き下げると、亨の男根は既に大人のモノに匹敵するほど硬く勃起していた。薫は躊躇わずにそれを口に含んだ。
 「ああ、いいっ・・・。たまらんぜ。」
 薫は一旦口に咥えたペニスを出して右手でしっかり握ると、裏側を筋に沿って舐め上げる。
 「ああ、凄いっ。気持ちいいっ。」
 薫は薄目で亨が恍惚としてきた頃合いを見計らって話しかける。
 「ねえ、亨クンの兄貴ってどんな人?」
 「え、兄貴かい。今はまだウチの工務店の見習いだけどよぅ、俺は兄貴のことをいつも見習ってるんだぁ。」
 チュパッ、チュパッ。
 薫は亨をいい気持にさせながら、油断させていろいろ聞きこんでいくのだった。

 「で、井上先生。村中亨には赦して貰ったんだろうね。」
 「あ、はいっ。もう、大丈夫です。」
 校長に報告しながら、薫は最後に亨の精液を呑みこんだ瞬間のことを思い返していた。
 「心を込めて謝ったら、分かってくれましたわ。」
 「そうか。そうならいいんだ。教育委員会なんかに持ち込まれた日にゃ、面倒な事になるからね。」
 「その心配はありません。ご安心ください。」
 しかし、その代償は薫にとっては苦いものだった。

茉莉子顔

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