妄想小説
狙われていた新婚花嫁
五十二
出てきた佳織は水着の上にタンクトップとショートパンツを穿いただけの姿だった。
「お待たせ、裕也クン。ちょっと一緒に歩きましょうか。」
「ああ、か・・・。いや、真弓・・・さん。」
「何だか今朝は元気なさそうね。裕也クン。」
「実は、ゆうべ妻と・・・、その、うまく出来なくって。」
佳織はすぐに何があったのかを察した。
「それで自信が無さ気なのね。大丈夫よ、裕也クン。だって、この間、あんなに凄かったじゃない。」
佳織の言葉に、サウナ室でフェラチオされた時のことを思い出した裕也だった。
(そうだ。あの時・・・。あの時は完全に勃起していたんだ。)
思い出すと、何だか元気が出てきた裕也だった。
「ねえ、私の部屋に来てみない。今日は休みだから。」
「え、いいの?」
(女独りの部屋に)という次の言葉は呑みこんだ裕也だった。
「へえ、こんな感じのところに棲んでいるんだ。ここ、従業員用の宿舎?」
佳織の部屋は一般の宿泊客にはちょっと判り難い、一般フロアから階段を降りていった半地下のようなところにあった。地下と言っても、部屋の上側にある明り取りの窓から柔らかな日差しが降り注いでいる。
「まあ、そうだけど・・・。殆どの従業員は通いだから、ここに棲んでる訳じゃないけど、私みたいな海外から来た者は、元客室だったこういう部屋をあてがわれているの。」
佳織が言うように、部屋の造りは一般の客室とそうは変らない雰囲気だった。
「あ、いやだ。私ったらプールに行った時のままだったわね。ごめんなさい。今、着替えるからちょっとだけ向こうむいててくださる?」
「ああ。」
裕也は佳織がベッドにあがってタンクトップにショートパンツからワンピースに着替えている間、佳織には背を向けてテーブルの前の椅子に腰かけて待つ。すぐ後ろで佳織が服を脱いでいるのだと思うと、裕也は少し興奮気味になってくる。
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