妄想小説
狙われていた新婚花嫁
三十三
「ねえ、真弓さん。どうして今頃になって僕の前に現れたんだい?」
「知ってるのよ、裕也クン。貴方、私の事、ずっと見てたわよね。」
「そ、それは・・・。」
裕也は謎の微笑を投げかけながら、目の前に立ちはだかる真弓に戸惑っていた。
「私のこと、どう思っていたの?」
「え、そ、それは・・・。」
「どうして正直に好きだって言えないの?」
「だって、きっとボクの事なんかどうにも思ってないだろうって思って・・・。」
「正直に言えばいいのに、キスしたいって。」
「え、いいの? キスしても・・・。」
「もう、駄目よ。今となっては。オチンチン、出してみなさいよ。私の前で大きく出来たら咥えてあげるわよ。」
「え、ほんと? す、すぐ脱ぐよ。」
「あら、ちいさいのね。そんなんじゃ駄目よ。」
「え、急にそんな事言ったって・・・。待ってよ。今すぐだから。」
裕也は慌てて自分のペニスを扱き始めるが、なかなか勃起してこない。
「ねえ、お願い。スカート、捲ってみせてくれない?」
「え、私のパンツ、見たいの? 見たら勃起出来る?」
目の前の真弓は意味深な笑みを浮かべて自分のスカートの裾を持ち上げる。
「あ、もっと・・・。もう少し・・・。」
「男って、ほんとスケベね。もうあそこが大きくなってきた。」
「ああ、そんな格好したらどんどん勃起してきちゃう。」
「どう、裕也クン。咥えてほしいの?」
「ああ、咥えて欲しいです。ああ、真弓さん。僕のもの、口に含んでっ。」
「やっと正直になったわね。さ、腰をこっちに突き出してっ。咥えてあげるから。」
裕也は真弓が自分の前に跪いて構えるのをみて、目を瞑って唇の感触を待つ。
「ああ、いい。いいですぅ。もっと・・・。」
しかし、目の前からふっと真弓は姿を消してしまう。
「え、どこ? 何処へいったの、真弓さん。」
真弓の姿を捉えようとするが裕也の手は空を切る。そして掴んだものがシーツだった事に気づいて目を覚ましたのだった。
二人がそれぞれお互いの淫らな夢想から目覚めた時、相手はやはりそれぞれベッドの隣で寝息を立てていたので、そのまま知らぬ振りをして寝なおしたのだった。
「お前、なんか昨夜、うなされてたぞ。変な怖い夢でも見たんじゃないのか?」
「え、そうだった? でもあなたも明け方近く、譫言言ってたわよ。誰か呼んでるみたいな。」
お互いがどきりとした顔を表情に出さないように惚けたのではあったが、何かを聴きとったのではないかと疑り深い目で見つめ合うのだった。
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