ロスメン昼間

妄想小説

狙われていた新婚花嫁



 四十九

 その朝もコテージは空き室のようで、人の気配は感じられない。優香は思い切って中に入ってみることにする。
 鍵は掛かっていなかった。勝手は分っていた。奥の部屋からフレンチ窓を抜けて、まっすぐテーブルと椅子のあるベランダへ出て観た。

優香ベランダ横顔

 あの時、命じられたように椅子に座ってみる。あの夜の事を思い返してみようとする。あの時の自分の気持ちは何だったのだろうかと考えてみる。それでも何だかよく思い出せない気がする。
 誰も居ないコテージをそっと出ると、今度はビーチに出てみることにする。人は全く居ない訳ではないが、まだ出ている人は少ない。優香はひと気のない用具倉庫になっている小屋へ近づいていく。誰も見ていないのを確認してこっそり入ってみる。
 (あの日、何時の間にかここで寝かされていた・・・。)
 薄暗い倉庫の中は閑散としている。優香が目覚めた場所へ行ってそこに腰を下ろしてみる。
 (そうだ。ここで目覚めたんだったわ。お尻の感触が冷たくて、下着を奪われていたことに気づいたんだったっけ。)

優香

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