妄想小説
狙われていた新婚花嫁
三十九
両手を後ろ手に縛られてしまうと、優香にはもう何も抵抗することが出来ない。それだけではなく、声を挙げれば何事かと人が集まってしまうかもしれないのだ。優香は黙ってされる事に堪えているしかないのだと悟らされる。
そんな優香の思いを敏感に読み取ったかのように、ジミーは優香の短いワンピースの裾に手を伸ばしてくるのだった。
ワンピースの下は下着を奪われてもう何も蔽うものはない。裾から突っ込まれた指はそのまま陰唇に直に触れてくる。大事なところを蹂躙されているという口惜しさよりも、誰かにそんな所を見つかってしまうのではないかと、そればかりが気になってしかたない。それでも身体は思いとは裏腹に勝手に反応して、ピチャ、ピチャといやらしい音を立てて愛液を分泌してしまう。それが優香には情けなく感じられてしまうのだった。
優香がジミーの指責めに堪えきれなくなって喘ぎ声をあげてしまいそうになった時、螺旋階段の下の方から話し声が聞こえてきたのだった。
「どうなってるの、この螺旋階段の上って?」
「何かとても眺めがいいらしいよ。早くおいでよ。」
「待ってよ。今、行くから。」
どうやら日本人の若いカップルのようだった。その二人が今にも優香たちの居る櫓の上に上って来そうな気配に、優香はジミーに懇願するように手を離して欲しいと目配せする。ジミーが優香のワンピースの裾から手を引き抜いたのと、若いカップルが櫓の上にあがってきたのはほぼ同時だった。
「うわあ、いい眺めっ。」
「だろっ。いい場所だなあ、ここは。」
若いカップルは櫓の欄干に手を当てて眼下に広がる景色を眺めている。優香は二人に背中を向けないように後ずさりしながら自分も外の風景を愉しんでいる振りをする。ジミーは優香の肩を抱いて逃げられないように抑え込んでいるのだった。
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