妄想小説
狙われていた新婚花嫁
四十八
ジミーに依る夜を徹しての責めに、ふらふらになりながらやっとのことで目を覚ました優香は、隣に夫が寝ていることに違和感さえ覚えたのだった。が、寝ていた筈とはいえ、夫を目の前にして自分が為した痴態や嬌声を思い出すと何処かに逃げ出したい気持ちになるのだった。
優香が起き上がって服を着ようとしていると、音で目覚めたらしい夫がまだ薬が切れきらないせいなのか、寝惚けたような声を挙げる。
「もう、朝なのか? ああ、まだ頭がすっきりしないなあ。もう少し寝かせといてくれよ。」
「いいわよ、まだ起きなくて。私、ちょっと散歩してくるから。」
そう言うと、裕也を寝かせたまま部屋の外に出た優香だった。早朝なので、まだ起き出している人は少ない様子で、静けさの中に鳥の鳴き声だけが響いていた。
その日は旅行最終日だった。なのに優香は心の中に何か整理しきれないものを持っていた。そのもやもやしたものを確かめたかったのだ。気づくと最初に呼び出されたコテージの前に来ていた。
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