裕也2

妄想小説

狙われていた新婚花嫁



 二十五

 「変だなあ。あんだけ酒を呑み控えたのに。また寝ちまうなんて・・・。」
 「いいのよ、あなた。疲れてるんでしょ。帰ったら幾らだって出来るんだから、旅行中は変に節制なんかしないで、好きなだけお酒も飲んでいいわよ。」
 「そうかい? じゃあ、今はお互い好きな事、好きなだけ、することにしようか。今日もフィットネスセンタで汗、流そうかな。サウナみたいのもあるっていうし。」
 「いいわよ。私もまだエステとか試してないし・・・。」
 優香はすぐに寝てしまうことを怪しまれないように、極力夜は酒を呑ませることに作戦を変えたのだった。

 その日は優香とは別行動をすることにして、プールに行こうか、サウナに行こうか迷いながら更衣室に入ろうとした裕也はばったり佳織と出会ってしまった。肩から大きなバスタオルを掛けているが、その下は明らかに水着だった。
 「あれっ、佳織さん。今日は水着なんですか?」

佳織サウナ室案内

 「ああ、裕也さん。昨日はどうも・・・。何か変なところ、見せちゃって。」
 裕也はすぐに昨日のキスを思い出すが、佳織がその事を持ちださないので自分からも触れないことにする。
 「いや、いいんですよ。今日は少し元気そうですね。」
 「ええ、おかげで何か元気づけられたようですわ。ああ、これっ? 私、プールでスイミングのインストラクタもしてるんです。昔、これでも水泳選手だったこともあるんですよ。」
 「え、だったら僕も教えて貰おうかな。息継ぎとかちょっと苦手なところがあって・・・。」
 「じゃ、今度。今ちょうどプールのインストラクタを終えたところなんで。サウナで身体を温めようかなって思って。」
 「え、ああ、サウナか。僕も行こうと思って何処なのかなって捜してたところなんですよ。」
 「ああ、じゃあ今ご案内しますわ。こちらです。」
 先に立って歩いて行く佳織のタオルからはみ出た下半身の後姿をこっそり眺めながら裕也は後に従う。

優香

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