医務室ベッド

妄想小説

体操女子アシスタントの試練


 四十三

 はっと気づいて目を覚ましたあかねはベッドに寝ていることに気づいた。
 「え、ここは・・・?」
 「あ、目を覚ましましたね。大丈夫ですよ。ここは局の医務室です。収録中に失神したんです。軽い貧血のようですから心配ないです。少しここで休んでいればすぐよくなりますから。」
 初めて見る顔だったが、放送局内の医務室に勤務する産業医らしかった。
 「そうでしたか。」
 あかねはふとまた体内にある筈のものを思い出した。不思議に肛門の辺りに違和感はない。シーツの下でその辺りに手を伸ばしたあかねの指に何かが触れた。手探りで後ろの穴に入れてあった筈のものであることが判る。
 (いつの間にか滑り出ていたんだわ・・・。)
 その途端に誰かに見られたのではと心配になる。
 「あの、先生。私をここに運んできたのは?」
 「ああ、身体のがっしりとした人ともう一人。確か体操の指導員をやってる若い人かな。もう一人はディレクターでしょう。」
 最若手の指導員の須藤京輔とディレクターの西村らしかった。
 (もしかして、あれを入れてるのを見られたのでは・・・。あの二人に知られたとしたら、もう顔を合わせるのも恥ずかしくて出来ないわ。)
 思いあぐねて戸惑うあかねだった。

あかね微笑

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