手足繋ぎ

妄想小説

体操女子アシスタントの試練


 十七

 あかねは片側の太腿を抱えている手を離そうとするのだが、手が自由に動かせない。ふっと気づくと、その手は手首のところで抱えた太腿の足首に縄で結わえ付けられているのだ。
 (どうして・・・?)
 何時の間に縛られたのかあかねは憶えがない。もう片方の手も自由にならない。背中の方に回されていて、そこから動かすことが出来ないのだ。背中側で同じ様に結わえ付けられているに違いなかった。
 強制的にI字バランスの格好を取らされていて脚を下ろすことが出来ないのは、持ち上げた足首そのものが床から天井まで届くステンレスのポールに結わえ付けられているからだ。
 「ああ、もう赦して。こんな格好のままでは苦しいです。脚をもう下させてください。」
 あかねは目の前で腕組みをしながらあかねの様子をじっと見守っている東郷にお願いする。
 「脚を下ろしたいだって? 本当はもっと違うことをして欲しいんだろ?」
 「え、違うことって・・・?」
 「そうじゃなけりゃ、スパッツも脱いだままでそんな格好であそこを晒したままでいる筈がない。」
 「え、そんな格好・・・?」
 ポールに縛り付けられたままのあかねは自分の下腹部を観ることが出来ない。しかしどうも下半身には何も身に着けていないらしいのだ。
 (ど、どうして・・・。)
 「そんなに大きく脚を開いていると、あそこが丸見えだ。いやらしい、お前の身体の中心がな。」
 「い、いやっ。見ないでっ・・・。」
 「見て欲しいからそんな格好をしているんだろ。いや、見て欲しいんじゃなくて、入れて欲しいんだよな。そこへ。」
 「ああ、駄目っ。そんな事されたら・・・。」
 「そんな事されたら、どうなってしまうと言うのだ。試しに指を入れてみようじゃないか。」
 「あ、いやっ。駄目っ。」
 チュパッ。
 卑猥な音がしいんと静まり返った部屋に響き渡るようだった。
 チュパッ、チュパッ。
 「ああ、駄目っ。そんなにしたら・・・。」
 「そんなにしたら・・・? 何かが垂れてしまいそうなんじゃないのか?」
 「ああ、言わないで。ああ、もう我慢出来ない。」
 「何が我慢出来ないんだ。」
 「わ、わかってるくせに。ああ、お願い。指じゃないものを入れてっ。」
 「指じゃないもの? 何を入れて欲しいんだ。言ってみろっ。」
 「ああ、言えないわ。ああ・・・、ち・・・、ちん・・・、ああ、ちんぽを入れて頂戴。」
 あかねは自分の口からそんな言葉が出てきたのが信じられないでいた。
 (ちんぽ・・・だなんて。そんな言葉を自分から言うなんて。ああ、それじゃまるで夢みたいじゃないの。え、夢・・・?)
 ふっと我に返ったあかねは今まで夢を見ていたことに気づく。自分の指が陰唇に添えられている。その指先はしっとりと濡れているのだった。
 二晩も続けて淫らな夢を見てしまったことにあかねは相当狼狽えてしまっていた。

 「今日はショートバージョンの撮影の後、組体操の収録もしますので宜しくお願いします。えーっと、椅子に座るのは君津亜紀さん。後は吉村さんと、矢田さん。組体操は背の高さが近い吉村さんと矢田さんでお願いします。あ、センタは吉村さんじゃなくて、矢田さんのほうでお願いします。」
 「え? いつも私がセンタじゃなかったの?」
 「ああ、プロデューサからの注文なんで。悪いね。」
 「い、いえ。別に悪くなんかないですけど・・・。」
 しかし吉村は新人をセンタにすることが明らかに不満そうだった。
 「吉村さん。済みません。私みたいな新参者が真ん中なんて。」
 「いいのよ、あかねさん。別にセンタだからどうって事じゃないもの。」
 「・・・。ですよね。じゃ、今日もお願いしますぅ。」
 あかねは最初の挨拶のシーンから撮るのに君津、吉村の間に立ってカメラスタンバイを待つ。

あかね微笑

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