面接受

妄想小説

体操女子アシスタントの試練


 三

 「君、ちょっと立ってみて。」
 「あ、はいっ。」
 あかねは座っていた応接室のソファから立ち上がると、面接官であるプロデューサの東郷のすぐ前に立つ。
 「ふうん。結構、上背はあるんだね。稲村君と同じくらいかな。」
 「えーっと、175cmなんで、先輩よりちょっとだけ高いくらいです。」
 「そうか。やっぱりある程度背がないと見栄えがしないからね。君、Y字バランスは出来るよね。」
 「え、そりゃ体操部ですから。」
 「ちょっとやってみて。」
 「え? ここで、ですか・・・。」
 あかねはちょっと躊躇う。なにせ、その日穿いてきているのは女子高生風のプリーツのあるミニスカートなのだ。しかし、あかねは自信がある自分の肢体をアピールするチャンスだとも思ったのだった。
 「ちょっと、ここで失礼します。」
 少しだけ壁際に下がると片足を上げて爪先を手で掴む。そのままバランスを取りながら足先を肩の上まで挙げていく。スカートの裾は持ち上がっていくが、プリーツのせいで下着が覗いてしまうようなことはない。
 「ふうん。身体は結構やわらかいんだね。I字パランスまで出来るかい。」
 「あ、はいっ。こう・・・ですか?」
 あかねは足先を掴んでいた手をふくらはぎの方へずらして身体のほうへぐいっと引き寄せる。

あかね微笑

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