妄想小説
体操女子アシスタントの試練
三十八
「それじゃあ、次。最初の挨拶シーンを撮りまあすぅ。最初は原西さん、今川さん、矢田さん。一列に並んでスタンバイお願いしますぅ。」
アシスタントディレクターの指示に従ってあかねは他の二人のアシスタントと共に横一列に並ぶ。体操の撮影の途中からバイブの動きは止まっていたが、何時また振動を始めないとも限らない。あかねは冷や冷やする思いでカメラの前に立ったのだった。
「じゃ、いきま~す。サン、ニー、イ~チ、キューッ。」
「おはようございます。今朝も体操で元気な身体を保ちましょう。今日のアシスタントはこちらの方々でぇすぅ。」
指導員を映していたカメラが三人の方に切り替わる。
「おはようございま~す。」
「ストーップ、カット。あれぇ。矢田さん、どうしたの? 表情がこわばってるよ。」
カメラが切り替わった瞬間にバイブが振動し始め、あかねはつい顔を歪ませてしまったのだった。
「す、すみません。もう一度お願いします。」
「はいっ。じゃ、撮り直しっ。いくよぉ。サン、ニー、イ~チ、キューッ。」
ブブブブッ。
(うっ・・・。)
カメラがあかねたちの顔をアップで捉えた瞬間、再びあかねの膣内のバイブが振動を始める。
「ご、ごめんなさい。ちょっと待って・・・。ちょっと深呼吸します。」
「どうしたんだい、あかねちゃん。今日は何だか変だよ。じゃ、もいっかい行きま~す。サン、ニー、イ~チ、キューッ。」
ブーン。
(うっ・・・。)
あかねは表情に出ないように必死で笑顔を繕う。
「ごめんなさい、皆さん。何度も撮り直しさせちゃって。」
自分のせいで何度も撮り直しになったことをあとの二人に平身低頭で謝るあかねだった。
「あ、いいのよ。調子の悪い時は誰でもあるから。あかねちゃん。」
「はあい。それじゃ、暫く休憩に入りまあすぅ。」
アシスタントディレクターの言葉に、あかねは救われた気分になる。皆から離れて一目散に女子トイレに駆け込むと便器に腰を下ろして脚を大きく広げる。本体から出ている電線のようなものは、タンポンの脱着用の紐のようで、引っ張るとするするとピンク色の本体が割れ目から姿を現した。やっとの事で異物感から解放されたあかねは、ふうっと大きく息を吐く。
(ううっ。もう二度とこんな目には遭いたくないっ。)
そう思うあかねだったが、悪魔の命令から逃れる手段はまだ見つからないのだった。
次へ 先頭へ