I字立ち

妄想小説

体操女子アシスタントの試練


 四

 襞スカートでなかったら、パンツが丸見えになってしまう格好だ。実際、横から覗かれたら丸見えの筈だ。あかねはアンダースコートを穿いてくるべきだったかと後悔する。
 「ほう。さすが体操部出身だね。あ、もういいよ。」
 あかねは下着が見えてしまわないように気を付けて脚をおろす。
 「君、脚も長そうだね。どのくらい?」
 「え? 脚の・・・長さですか?」
 「そう、股下長だよ。」
 「え、わかりません。測ったこと、ないので・・・。」
 「そうか。じゃ、今測ってみよう。スカート、ちょっと持ち上げてっ。」
 「えっ?」
 あかねは一瞬、何を言われているのか判らず戸惑う。しかしプロデューサの東郷が上着のポケットからメジャーを取り出したのを観て自分の股下長を計ろうとしているのだと気づいた。
 「パンツ、穿いてるんだろ?」
 「あ、ええ・・・。」
 「体操のレオタードと同じだよ。そんな事、恥ずかしがってたら、体操のコスチュームも着れないよ。」
 (確かにパンツを観られるのと、レオタード姿を見られるのはそう大した違いはないのかもしれない)そう自分に言い聞かせるように自分を納得させたあかねだった。

あかね微笑

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