妄想小説
体操女子アシスタントの試練
二十
君津亜紀、矢田あかね、吉村と三人が並んでカメラの前でお辞儀をして挨拶する際に、身障者役でスパッツにTシャツの君津はいいとして、同じレオタードを纏った背丈のほぼ同じあかねと春江では明らかに股間の位置が違うことがはっきりと見て取れるのだった。より正確には若干春江の方が背が高いのに、股の位置はあきらかにあかねの方が高いのだ。
(これじゃまるで、晒しものの処刑じゃないの・・・。)
映像を見つめる春江はまるで鬼の形相で、身体はワナワナと震えていたのだった。
「あかねちゃ~ん。また今日も東郷プロデューサのところ、行ってくれる?」
「あ、はいっ。あの、この格好・・・ですよね。」
「ああ、勿論。」
「わかりました。」
あかねは今では自分のロッカ―に持ってきているスプリングコートをレオタードの上に羽織って出ていくのだった。
「あら。あの子ったら、またプロデューサに呼ばれているのね。」
「吉村さん。東郷プロデューサの好みらしいですよ、あの矢田さんて。」
「ねえ、亜紀ちゃん。ちょっと悪戯してみない?」
「え、何ですか、先輩。」
「ちょっと耳をこっちに・・・。」
「え、・・・・。そんなの。引っ掛かるかしら、彼女。」
「案外、バカまじめみたいな所あるから。面白いからやってみましょうよ。こういうの、やるなら慣れてない今のうちよ。ね。やってよ、亜紀ちゃん。」
「え、わたしが? まあ、いいわ。そういうの。私、意外と得意なんだ。」
「うふふふ。愉しみっ・・・。」
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