留守番 完結編
三
「はい、判こです。」
男に認印を手渡し、ブロンズ像の正面に回ってみた美鈴ははっと息を呑んだ。
ブロンズ像の股間には太く長いものがこれ見よがしに屹立していたのだ。
美鈴は思わず顔を赤らめる。恥ずかしさに男の顔を見ることも出来なかった。そんな彼女に男が突然、低い声で話し掛けた。
「どうだい。気に入ったかい、お嬢さん。」
男は不気味に笑っている。
「何なの、これは。あなた、宅配屋じゃないわね。いったい誰。こんなもの、持っていって頂戴。」
「ふふふ、これはあんたへ俺からのプレゼントなんだぜ。毎晩これで楽しめるようにって俺が丹精こめて作ったもんなんだ。喜んでもらわなくっちゃ。」
「帰って下さい。出てって。」
「そうはいかねえな。せっかく今日は誰も居ないんだろ。たっぷり楽しまなくっちゃ。そうだろ、お嬢さん。」
「ど、どうして、そんなこと知ってるの。」
男の顔を穴があくほど美鈴は見つめた。どこかで見たことがあるような気がする顔だ。男は像を梱包していたロープを取り上げた。
美鈴は身の危険を感じて思わず後ずさった。
美鈴が走り出すより早く、男の手が美鈴を掴まえていた。
「や、やめて。何するの? 縛らないで。・・・」
しかし美鈴の願いも空しく、両手首が掴まれ、強引に後ろ手に太いロープで縛り上げられた。
両手の自由を奪ってしまうと、男は美鈴を突き飛ばした。
美鈴は脚がもつれて床に転げ回った。セーラー服の裾が翻って、美鈴の太腿が一瞬顕わになった。美鈴は不自由な格好ながらも裾を直そうともがいた。しかし努力も空しく、男の足が美鈴のスカートを踏み付け、もう一方の足が美鈴の両脚をどんどん剥きだしにしていった。
「やめて、・・・お願い。」
男は美鈴の下半身を舐めるように見つめながら暫く立ちはだかっていたが、やがて美鈴のセーラー服の胸当てを掴むと、引っ張り上げた。男は美鈴を無理矢理立たせ、ホールの真ん中に引き立てていくのだった。
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