留守番 完結編 第二部
四十
男が再び薫の方へ戻ってきたのを見て、薫は観念して覚悟を決めた。
「さっき言ってたでしょ。あなたの言うことを何でも聞けばあの子たちを自由にしてくれるって。私、あの子たちに代わってあなたの奴隷になって何でもします。ですから、あの子たちを自由にしてやってください。」
「ほう、やっとその気になってきたか。じゃ、まずは逃げられないようにお前にも首輪を嵌めるか。」
そう言うと、薫の首に鎖のついた首輪を嵌めてしまう。そうしてから窓の手摺りに留めていた手錠を外す。
「どうすればいいの?」
「まずは服を脱いで、こいつで足首と手首を繋ぐんだ。」
そう言って男は何時の間にか持ってきていた両端に枷の付いた鎖の束を投げて寄こす。
1mもないような鎖で手と足を繋いでしまうと、自分で立上ることも出来なくなってしまう。
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