留守番 完結編 第二部



鞭打ち

 四十七

 バシーン。
 「あぎゃあああ・・・。」
 男が振り下ろした革の鞭が薫の白い尻たぶを襲う。みるみるうちに赤い蚯蚓腫れが出来ていく。
 「どうだい、鞭の味は。」
 「お願いっ。もう、赦してっ・・・。どうしてこんな事するの?」
 「女ってのはな、本質的にはマゾなんだ。お前にもマゾの血が流れている筈さ。それを呼び起こさせてやろうっていうのさ。」
 「そんなの嘘よ。わたし、マゾなんかじゃないわ。」
 「それはどうかな。いまに分るさ。さあ、もう一発だ。そりゃあ。」
 パシーン。
 「あぐううう・・・。」
 男の情け容赦ない鞭打ちに、薫は目に涙を溜めて必死で堪えている。
 「さてと、ここらであの娘等が大人しくしてるか様子を見てくるから、お前のほうは壁に繋ぎ直してやろう。そこで大人しくしてるんだぜ。戻ってきたら、またたっぷり可愛がってやるからな。」
 そう言うと、薫を吊っていた縄を緩めて薫の両手を壁に埋め込まれた手枷の方に繋ぎ直すのだった。

 「少し緩んできたわ。もう少しよ。・・・・。あ、解けた。」
 恵子の背中側で悪戦苦闘していた美鈴が漸く美鈴の胸元を縛っていた縄の結び目を解くことに成功した。
 「じゃ、恵子。今度は私の方を解いて。あ、待って。足音がする。あの男が戻ってきたみたいよ。まずいわ。恵子、縄を背中で掴んでまだ縛られてる振りをして。早くっ。」
 美鈴の指示に恵子は一旦緩んだ縄を背中側で引っ張って、まだきつく縛られてる風を装う。その時、ガチャリという鍵が廻る音がして扉が開いて男が入ってきた。
 「ふん。ちゃんと大人しくしてるようだな、お前等。」
 美鈴はさりげなく膝を崩して横に大きく開く。男の目には、スカートの裾の下に下着が丸見えになった筈だった。美鈴は咄嗟に男の注意が恵子の方に向かわないようにと思ったのだ。

美鈴

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