留守番 完結編 第二部
四十二
薫の前に突如現れたのは、美術の教科書でよく知っているダビデ像のレプリカのようだったが、その股間は本物と違って、強く勃起した男性自身が屹立して生えているのだった。
「どうだい、先生。気に入ったかい。先生には、これから生徒等の前でお手本を見せて貰うことにしようと思ってるのでね。」
「お手本ですって?」
「大人はどんな風に男性を悦ばせるのかをね。」
「えっ?」
「最後まで言わなくてもわかるだろ。咥えるんだよ、それを。」
「で、出来ませんわ。そんな事・・・。」
「ほう、もう忘れちまったのかい。生徒等の身代わりになるんじゃなかったのか?」
「で、でも・・・。生徒の前でそんな事・・・。」
「ほう。じゃあ、生徒の方に咥えさせようか。」
「だ、駄目です。そんなこと。」
「生徒の代りに身代わりになるってのは、口先だけか。」
「うっ、わかりました。く、咥えます。」
薫は四つん這いのまま、ダビデ像に近寄っていく。その股間の屹立したものを咥えるのかと思うと、おぞましさに身体が震える。
「やったこと、あんだろ。先生よ。」
男の非情な問いには答えることはせずに目を瞑ってその屹立したものを口に含んだ。
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