留守番 完結編
十五
「ほれっ、見てみろっ。こんなに色々揃っているぜ。夜のお愉しみの道具ってわけだ。」
いきなり両親が寝室のチェストに隠し持っていたものを見せられて美鈴は狼狽える。中には手錠、バイブ、ローションなどと共に麻の荒縄まで入っている。
「こんなの・・・。パパとママが使っていたなんて。嘘よっ。」
「初めて見るのかい、お嬢ちゃんよ。パパとママのお古でよかったら、お前にも使い心地を味わわせてやるよ。何がいい? このバイブかい?」
「い、嫌よっ。そんな事・・・。お願い。もう、しまって。」
「そうはいかねえよ。これで、今夜はたっぷり愉しめるってもんだ。さて、他にも何かないかな。」
男は再びアタッシュケースが入っていたチェッストの方へ戻る。
「おやあ。こいつはビデオテープみたいだなあ。何かいいものが映っていそうだな。どれっ。再生する機械は揃ってるのかな? ああ、このデッキだな。ふうん。このテレビに繋がっているじゃないか。ちょっと再生してみるか。」
美鈴は男が勝手にビデオテープらしきものを持ち出してベッドの正面に据えてある大型モニタの脇のビデオデッキにテープを挿し込むのを固唾を呑んで見守る。
突然、暗かった部屋がぱっと明るくなってモニタに映像が映し出される。
「あ、ママっ・・・。」
モニタに映し出された顔を見て、思わず美鈴が叫ぶ。
「ほうっ? こいつがお前のママさんかい。ふふふ。そりゃ、楽しみだ。」
画面上の美鈴の母は上目使いでカメラを撮影している男に向かって赦しを請うような表情を見せる。しかし、カメラを録っている男に拒否されたらしく、首を振っていやいやをしていたが、やがて頭をうなだれる。その直後、カメラが引いていくと母親だという女性の身体全体が映し出されていく。
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