妄想小説
女敏腕警護官への逆襲
五十三
冴子と雄太は監禁部屋と言っている奥の部屋の太い柱に手錠で背中合わせに繋がれてしまうのだった。
「済みませんでした。俺が奴らに騙されたせいで・・・。まさか、あの一色って男が敵のスパイだったなんて・・・。」
「貴方、私のリボルバーから弾を抜いたでしょう。それもあいつに唆されてね。」
「うっ、知ってたんですか? 今度こそ先輩を出し抜いて活躍するいい機会だからってアイツが言うんでつい・・・。ま、まさか、そのせいで奴等に捕まってしまったんですか。」
「貴方にリボルバーを返して貰った時にすぐに私が確認しなかったからいけなかったのよ。」
「ああ、全部俺のせいなんだ・・・。」
「いいのよ。まだ全部終わりじゃないから。」
「え? こんな手錠で柱に繋がれちゃってる状況で何か手があるんですか?」
「前に言わなかったかしら。心を許さずにおけば、信頼するかどうかは関係ないわ。どんな時にも相手を信用してそれを当てにするんじゃなくて、裏切られた場合のことを常に考えて準備をしておくって意味よ。」
「はあ・・・。でも、どういう事か・・・?」
「いい、今あいつ等は明日の菱田外相の会見の準備で手一杯の筈よ。時間は今しか無いわ。貴方、私のお尻に手が伸ばせる?」
「お尻に? あ、済みません。俺の手が先輩のお尻に触れてました?」
「違うのよ。私には手錠で自分のお尻に手が届かないの。貴方は私のお尻の穴に手が届くんじゃない?」
「お尻の穴? え、先輩のお尻の穴を触れってことですか?」
「そうよ。そういう意味。」
「え、いいんですか? そんな事して・・・。」
「あ、そこっ。でも、優しくそっとね。」
「こんな状況なのに、先輩のお尻の穴を手でまさぐるだなんて・・・。お、俺っ、勃起しちゃいそうです。」
「いい、よく聞いて。お尻の穴の中に手錠の鍵を挿し込んであるの。昨日、奴らに捕まって磔にされていたのから脱出する際に、彼らが使っている手錠は皆同じ鍵だって気づいたの。それでもし次に万が一捕まってしまった時の為に手錠の鍵を一つ、お尻の穴の中に隠しておいたの。」
「え、まさか・・・。そんな事・・・。」
「いい? ゆっくりと私のお尻の穴に指を挿し込むのよ。小指でそっとね。金属のものに触れたら、そおっとそれを掻き出すのよ。痛くしないでよ。」
「え? そんな事、出来るかなあ・・・?」
「それしかこの窮地から逃れ出る方法はないのよ。さあ、やって。」
「わ、わかりました。えーっと、ここですね。」
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