妄想小説
女敏腕警護官への逆襲
三十三
「おい、そろそろ又オシッコがしたくなったんじゃないのか? お前の便器は股の下に置いてやってるんだから、遠慮なくそこで立ったままお洩らししていいんだぜ。」
「そうだ、そうだ。立ちションベンをしてみせろや。なんだったら、このバイブで刺激してやってもいいんだぜ。バイブより、このビール壜の先っぽを挿してやろうか?」 男たちはそれぞれに立ち縛りで身動き出来ない全裸の冴子を詰るのだった。
冴子が漸く男たちから解放されたのは夜更け過ぎだった。解放とは言っても戒めを解かれた訳ではなく地下の部屋に戻されただけで、相変わらず両手は小手縛りに括られて天井からの縄で吊るされ、やっと爪先立ちで足の先が届くぐらいで放置されたのだった。
幸い、尿意の方は恥を忍んで宴席で用意されていた洗面器に用を足させて貰ったことで夜中に我慢出来なくなって垂れ流すことはしないで済むようにはなっていたものの、宴席の男たちの前で放尿を余儀なくされたのは、冴子には堪えがたい屈辱だった。
夜中に一人にされて宴席での男たちの会話をそれとなく耳にした冴子は、男たちが再度大臣を襲撃して拉致しようと計画していることが分かって何とかしなくてはと思い悩んでいた。しかし今の拘束された冴子には文字通り手も足も出ない状態なのだった。
(何とかしてこの状態を打破して、大臣を救わなくては・・・。)
気持ちばかりが焦る冴子だったが、今はなす術がないことに途方に呉れるしかなかった。
翌朝の男たちは冴子に対する嗜虐心に満ち溢れているようにしか感じられない冴子だった。前日に冴子の口の中に精や尿を放出することで性的満足を充実されて、今度は恥を掻かされた復讐心を燃え滾らせることに集中しているかのようだった。
「今日はお前に呑まされた煮え湯を思いっきり仕返しをすることで溜飲を下げさせて貰うからな。これからその格好で俺たちと戦うんだ。覚悟しておけよ。」
冷たく言い放つ男の一人に冴子は戦慄を感じるのだった。男はズボンにしていた分厚い革のベルトを抜き放って鞭のようにしならせていた。
「そ、そんな・・・。卑怯よ。女一人に、手も足も自由を奪っておいて戦わせるだなんて・・・。男として恥ずかしくないの?」
冴子は精一杯の虚勢で、男の自尊心をくすぐる。
「ふん。それもそうだな。少しはお前にも反撃出来るだけのハンデを与えてやってもいいかもしれんな。お前、両手の自由と、脚の自由をどっちが欲しいんだ? さすがに両方って訳にはいかんがな。」
「・・・。ううっ、じゃ、両手の自由を。」
「ふふふ。ようし。じゃ足のほうを自由にしてやろう。」
両手の自由させ貰えば何とか戦えると思っていた冴子に男の言葉は非情だった。足枷を外して貰えば、回し蹴りなどの技は自由に使える筈だった。しかし、脚しか使えないとなればそれは簡単に警戒されて、殆ど自由に使えないに等しかった。
「ひ、卑怯よ。足だけ自由にさせたって、これじゃ殆ど何にもならないわ。」
一応抗議はしておいたが、男たちは冴子に対等に戦わせるつもりは更々ないようだった。そして最初に戦わせられる男の手には竹刀が握られているのだった。
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