妄想小説
女敏腕警護官への逆襲
二十七
「へ、どうしたその格好は? 文字通り、手も足も出せないってところだな。」
冴子が手錠と足枷で抵抗出来ないことを知ると、冴子をいたぶるように顎に手を当てて顔を上向かせる。
「この前は随分遣りたい放題にやってくれたよな。俺たちをさんざんコケにしやがって。忘れちゃいないよな。」
男の目は復讐の怒りにメラメラ燃え始めているようだった。冴子はしかし顎に手を当ててきた男をただ睨みつけることしか出来ないのだった。
「どうするんです、ミスターZ? この女・・・。」
「ふふふ。そいつは次の作戦に囮として使う捕虜だ。その前にお前たちにも煮え湯を呑まされた鬱憤を晴らさせて溜飲を下げさせてやる。しかし、その前にまずは次の作戦会議だ。その間はそいつを地下の部屋に繋いでおけっ。」
地下の部屋に監禁放置されると聞いて、冴子は蒼くなり思案していたことを遂に口にする。
「ま、待って・・・。」
突然声を挙げた冴子に男たちが一斉に目を向ける。
「あ、あの・・・。さっきからずっと我慢していたの。私を何処かに繋ぐんだったら・・・。その前におトイレを使わせて欲しいの・・・。」
それは屈辱的な一言だった。尿意はあの男から目隠しを嵌めさせられ車のトランクに押し込められる時からずっと感じていたものだった。男の乱暴な運転によって左右に振られてトランクルームの壁にぶつけられる度に必死で洩れそうになるのを堪えていたのだった。
「トイレを使わせて欲しいだって? お前、自分の立場が分かってて言っているのか?」
「た、立場って・・・。」
「お前のような性奴隷が、まともな人間みたいにトイレに行けると思っているのかってことよ。」
「性奴隷・・・?」
「おい、誰か。こいつに性奴隷にふさわしい便器を持ってきてやれよ。」
「おう。俺が持ってきてやるわ。」
男の問いかけに答えた者が奥から持ってきたものを見て冴子は蒼褪める。
次へ 先頭へ