妄想小説
女敏腕警護官への逆襲
五
「貴方達、何考えているのか知らないけど変なことしたら容赦はしないわよ。」
「へえ。随分、威勢がいいじゃねえかよ。お姉ちゃんよ。その構えは俺たちと戦ってもいいって雰囲気だなあ。大人しく身を差し出せば、痛い目には遭わないで済むんだぜ。」
「どうして、貴方達みたいな人に自分を差し出す必要があるっていうの。」
「お前。女一人の力で俺たち四人を打ち負かせるとでも思ってるのかよ。まあ、俺たちにとってみりゃ、多少は抵抗してくれたほうが、よりそそるってもんだがな。おい、いけっ。」
真正面に居た男が冴子の脇から近寄ってくる男に顎で合図する。
男の手が冴子を抑え込もうと伸びて来るのを咄嗟に身を交わした冴子が掴むと捩じり上げる。
「うっ。て、てめえっ・・・。」
冴子が捩じって取った手首を抱えて振り回すと相手の身体が宙を舞う。
「ううっ・・・・。い、痛ててっ。」
投げ飛ばされた男が地面に背中から叩きつけられると、男は悶絶している。
「おい、なかなかやるじゃねえか。なら手加減はいらねえぜ。思いっきりやらせて貰うぜ。おい、前と後ろから同時に掴み掛かるんだ。いいかっ。」
「おうっ。まかしとけ。」
冴子はちらっと後ろの男の方にも目をやる。
「かかれっ。」
冴子の前と後ろから男たちが飛び掛かろうとする。その瞬間に冴子の身体が大きく回転する。
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