妄想小説
女敏腕警護官への逆襲
四十四
一色とかミスターZとか名乗っていた男は手下らしい四人の男と朱美という女まで引き連れて出掛けていった。はっきりとは聞かされなかったが、外相会談を終えて官邸に戻る外務大臣を襲撃して拉致しようとしていることは冴子も薄々気づいていた。
冴子の見張りとして残されていたのは、一番年下で使い走りをさせられている若い子分らしかった。男たち四人は思い思いに冴子を凌辱しては鞭打って溜飲を下げていたが、この若い子分には順番は廻っていかないことに気づいていた。
(急がなければ・・・。子分ひとりしか居ない今しかチャンスはないわ。)
「ねえ、君。ちょっと・・・。」
磔にされた冴子は依然として紙オムツを当てられたままだったが、若い子分には刺激が強すぎると思ったのか、それを隠すように冴子の腰の周りには更に上から布が巻かれていた。しかしその姿を若い子分はチラチラと横目で気にしながら窺っているのが冴子にも分かっていたのだ。
「なんだよう。何か用か?」
気にしている様子だが、冴子に手を出してこないところをみると、冴子の身体には触れないようにきつく言い聞かされているのだと冴子は推理した。
「あの・・・。こんな事、言うの凄く恥ずかしいんだけど・・・。」
「なんだよ?」
「わたし、あの四人にずっと犯され続けていたでしょ。そのせいで、おかしくなっちゃったみたいなの。あそこが疼いて堪らないの。ねえ、あそこを慰めてくれない? 自分ではこうして縛られているから、あそこに手を当てることも出来ないの。」
そう言いながら冴子は腰を捩って悶えて見せる。若い子は冴子の言葉に思わず生唾を呑み込んだのがわかった。
「オナニーがしたいのか。したいのに出来なくてうずうずしてるって訳だ。」
「ああ、恥ずかしい。でも、そうなの・・・。ああ、お願いっ。あそこに手を当てて揉んで欲しいの。」
冴子は憐れみを請うような目付きで若い子に甘える振りをする。
「ちょっとだけだぜ。お前に触れちゃいけないってきつく言われているんだ。」
(やはり、そうなのか・・・。)
「少しだけでいいの。ああ、あそこが・・・。」
男が冴子の腰に巻かれた布の中に手を入れてすぐに紙オムツを当てられているのに気づく。
「何だ、こりゃ?」
「か、紙オムツよ・・・。その上からじゃ、感じられないわ。お願い、紙オムツを外してっ。」
若い男はその言葉にも大きく反応した手応えがあった。下半身をこっそり窺うとズボンの下は勃起し始めているのが分かる。男は布の下を探って紙オムツを留めているテーブを探り当て、両側から剥がして紙オムツを外す。
「ああ、は、早くぅっ・・・。お願い、あそこを・・・、あそこを慰めてっ・・・。」
男の目がぎらりと光って布の隙間から手を挿し込んでくる。そして無毛の陰唇をすぐに探り当てるのだった。
「ああ、入れてっ。」
男の指が陰唇に侵入してくる。
「ああ、いいっ。ああ、気持ちいいっ・・・。もっと・・・、もっとよ。」
冴子は思いっきり腰を振ってよがって見せる。それは自分だけが気持ちよくなって、男にも気持ちよくなりたいという気持ちを誘発させる演技だった。
「ああ、駄目っ。指だけじゃ満足できないわ。」
男の方も我慢出来なくなったらしくズボンのチャックを降ろしてパンパンに張り詰めた陰茎を外に出すのだった。
「ねえ、貴方。手錠は持ってないの? 磔にする代わりに私に後ろ手の手錠を掛けて自由を奪ったらいいわ。そしたら後ろから犯せるから。ねえ、もう我慢出来ないの。お願い。後ろから犯してっ。」
冴子の言葉は若い男に、自分が犯している姿を想像させたらしくその誘惑に完全に駆られていた。冴子の読みどおり、男は手錠を持っていた。磔にされた冴子の片方の手首に尻のポケットから取り出した手錠を掛けると、そちら側の縄を解く。その上でもう片方の手首の縄も解き始めたのだった。男の方も、もう既にかなり性急になっていた。もう片方の手首の縄を解いてその腕を背中に回させてもう片方の手錠の輪を嵌めてしまいさえすれば思い通りに後ろから冴子を犯せるのだと思い込んでいたのだった。
「よし、外れた。さ、おとなしく背中で両手を重ねるんだ。」
解いたばかりの手首を取って、背中側のもう片方の手首を引き寄せようとした瞬間が冴子が狙っていた一瞬だった。
若い男が思ってもみなかった力とスピードで、冴子は男の手を振り切ってそのまま正拳突きで男の鳩尾に突き出す。
「あうっ・・・。」
ひと言だけ呻き声を挙げると、男はその場に崩れ落ちたのだった。
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