磔鞭打ち

妄想小説


女敏腕警護官への逆襲



 十七

 まずは房になった鞭を無防備な太腿の内側に嬲るように優しく当てる。
 冴子はそれだけで済む筈がないと思っているだけに、余計に恐怖心を煽られる。

 ビシーン。
 男は前触れ無しに突然鞭を振り上げると股の付け根目掛けて振り下ろしたのだった。
 「ううっ・・・、くくっ。」
 冴子は唇を噛みしめるようにして痛みに堪える。
 「そりゃあっ。」
 ビシーン。
 「あううっ・・・。」
 「どうしたぁ。少しは堪えたか?」
 冴子は打たれ続けながらも必死に堪えて相手を睨みつける。
 「まだ懲りてはいないようだな。それじゃ、もっときつい一本鞭に換えてやるか。さ、今度は尻をだしな。」
 男は無理やり鞭の柄で冴子をこずいて背中を向かせる。

尻鞭打ち

 「こ、こんなこと・・・。幾らしたって無駄よっ。」
 「そんなことはないさ。お前には散々な目に遭わされたからな。まずはその仕返しってわけさ。お前を痛めつけることで腹の虫は十分収まるんでな。まずは溜飲を下げさせて貰ってから、次の作戦にはいるって訳さ。それまではこっちが愉しませて貰うぜ。そりゃあ。」
 ビューン。パシーン。
 「あうううっ・・・。」
 一本鞭はストロークが長いだけに破壊力も大きい。真っ白だった冴子の尻たぶに真っ赤に腫れ上がった鞭の痕がくっきりと浮かび上がる。 ビューン。パシーン。
 「ううっ・・・。」
 ビューン。パシーン。パシーン。パシーン。
 冴子が根を上げないので、男の鞭は連続で打ち振るわれる。
 「どうだ。少しは効いたろう。」
 「・・・。」
 さすがの冴子もこの打擲には口応えする気力も残っていなかった。
 「ここまで堪えたご褒美に今度は気持ちよくさせてやろうじゃないか。」
 虚ろな目で顔を上げた冴子に男が不敵な薄ら笑いを浮かべながら近づいてくるのだが、冴子には何をすることも出来ない。
 いきなり男の正拳突きが無防備な冴子の下腹に炸裂する。冴子は自力で立つことが出来なくなり両手を縄で吊られたまま膝を折って崩れかかる。気を喪わないでいるのがやっとだった。
 男は東屋のようになっている風呂の鴨居に縛り付けている両手の縄を解きに掛かる。しかしそれは冴子を解放する為ではなかった。冴子の両手を小手縛りに縛り直す為だった。冴子が反撃するとすれば最後のチャンスだったが、男の正拳突きはそれを見越して反撃の気力を失わせる為のものだった。仮に手を一瞬だけ解かれた際に反撃しようとしたとしても両足首は開かされて固定されているので、勝負にはならなかった筈だ。

saeko

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