妄想小説
潜入捜査官 冴子 第二部
四十三
先に捕まってしまった雄太のことを案じている冴子のところへ暫くして現れたのは鬼源の妻、倫子だった。
「またそうやって縛られているのかい? 今度はお愉しみでじゃないようだが。」
「あ、貴方は倫子・・・さんね。」
冴子の脳裏に洗濯バサミで秘所を傷めつけられた時のことが浮かんでくる。
「あの事は鬼源にはチクらなかったようだね。どうしてだい?」
「あんな事で、奥さんと社長の仲を悪くしたくなかったんです。」
殊勝そうにそう言ったのだが、本心は妙な諍いが始まると捜査に支障をきたすと思ったからだった。
「そんな気遣いは無用だったのにね。アタシと鬼源はもうとっくに冷めているからね。尤もアンタはマゾだから気持ちが良かっただけだろうけどね。痛めつけても気持ちいいだけみたいだから今度は別の虐めにしてやるよ。」
「な、何をしようと言うの?」
「ふふふ。これさ。何だかわかるかい?」
倫子が冴子の目の前に翳してみせたのは、明らかに男性自身を模った作り物だった。
「お前も生娘じゃあるまいし知ってるよね。これが何だか。ただし、これをお前のあそこに只入れてやるだけじゃ折檻にならないからね。これをたっぷり塗りたくって入れてやるのだよ。」
「そ、それは・・・。」
「自然薯を溶いたものさ。肌の敏感なところに付くと強烈な痒みを起させる効能があってね。」
「い、いやよ。そんなもの・・・。」
「お前のあそこはつるつるに剃りあげてあるから、余計に敏感に感じるだろうよ。おい、マサとジロー。入っておいで。こいつの着物を全部剥ぎ取って全裸にしてから天井から万歳の格好で吊り直しておしまいっ。」
「へえ。倫子姐さん。承知しやした。」
「や、やめてっ。」
「ふふふ。おとなしく縛られるんだぜ。ほれっ。」
「あっ、いやっ・・・。」
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